書評:フット×ブレインの思考法 日本のサッカーを強くする25の視点


フット×ブレインの思考法 日本のサッカーを強くする25の視点

フット×ブレインの思考法 日本のサッカーを強くする25の視点

サッカーを独自の視点から考えるテレビ東京系列サッカー番組、Foot x Brainから誕生した一冊。
番組の内容をうまく編集して文字に落とし込んだのが、今回の内容。

戦う人
支える人
育てる人
見守る人

という4つの切り口で番組を束ねて編集している。

私はこの番組が大好きで、
今まで日本のスポーツ報道になかった、
スポーツの多様性をうまく浮き彫りにして表している良質の番組だと思う。
番組のサッカー愛が、MCの勝村さんの「はじめに」というイントロでよく伝わってくる。

以下引用

                                                                                                                                                    • -

ものごとを一方的な観点から見ることはフェアじゃない。片側から当てた光だけを信じちゃいけない。360度ぐるりと眺めて初めて、その本質に迫ることができる。

『FOOT x BRAIN』がサッカーに対して果たすことができる役割があるとしたら、まさにそんなところにある気がしています。
サッカーのことを理解するには、いろいろな角度からいろいろな見方をした方が、サッカーの魅力や本質に迫ることができます。

                                                                                                                                                        • -

確かにこの番組には、様々な分野のゲストが登場している。
料理人
代理人
選手の妻
トレーナー
通訳
ピッチの管理人
スカウト
ホペイロ
メディア
選手や指導者はもちろん、とにかく幅広い。
サッカーというスポーツを本当に360度から考察しようとしている気概が伝わってくる。


ここで大事な点は、サッカーがもたらしている職業選択の可能性と幅である。

栄養管理士、トレーナー、通訳、統計学も必要とされるアナリスト、クラブ運営(会計、マーケティング、法律)指導者、スポーツメーカー、関連グッズ、スポーツメディア(放送、出版、ライター、ジャーナリスト)、カメラマン、エージェント、選手マネージメント、プロモーション、スタジアム管理、ピッチの管理、旅行代理店、サッカーくじ、チケット、警備、フットサルコート運営、サッカースクールと関連事業を挙げるだけでこれだけの職種が浮かんでくる。


実はここに日本のスポーツ産業発展の可能性が眠っているのではないだろうか?
部活でただひたすら「頑張ればできる」「努力が大事」「夢は叶う」と唱え続けるのもいいのかもしれないが、
反面どこかで現実と向き合ってこれだけの可能性を部活の段階で示して、
ここに向かって「頑張る」「夢を叶える」努力をさせてもいいのではないだろうか?
努力のベクトルを変えるだけで、色々な可能性が提示できるのではないだろうか?
それによって初めて日本全国に徐々にスポーツ文化が根付いていくのではないだろうか?
そしてそれによって、過去の横浜フリューゲルスbjリーグ東京アパッチJBLの数々のチームのように消えてなくなるクラブも減るのではないだろうか?
逆に既存のクラブも経営が上向くかもしれない。
そう考えると、可能性を提示したJリーグの果たした役割は限りなく大きいし、責任も思い。
そしてFoot x Brainの果たしている役割ももちろん大きい。
この番組が末永く続くことを祈って、
そしてこの番組が日本のスポーツ界全体に好影響を与えることを祈って、
是非読んでもらいたい一冊だ。


テレビ東京の放送エリアは実は限られている。
番組を見れない人に是非進めてもらいたい一冊だ。


また勝村さんの「はじめに」から引用

『FOOT x BRAIN』は僕にとって「人生の親戚」です。
この番組に出会えたことで、僕の人生がとても豊かになりました。


番組のDVD化を待とう!




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日本のバスケとイノベーション

JSportsがありがたいことに、ウィンターカップのハイライト動画を盛りだくさんアップしている。

JSports チャンネル

とても楽しく見ている。


たくさんの試合を見ていて強く感じることは一つ。
プレーが完全に金太郎飴なのだ。
どこの学校も同じに見える。
どこのプレースタイルも同じ。
パスしてラン、パスしてラン、動きの中で1対1、セットプレイはほとんど見受けられない。
違いが見受けられない。
これは男女問わず、ほぼ同じ傾向と言っても過言ではないだろう。








しかしこれは高校生レベルだけの話ではなくて、実は下から上までほぼ同じなのだ。
これは昨年のブログ記事でも記している。


全日本女子決勝:いい加減違うスタイルを求む


そこでふと思った。
何か全然違うアプローチでチーム作りをしたならば、いいところまで行くのではないか?と。


誤解を恐れずに、そして育成のプロセスや細かいことを抜きにして簡単に書くとこういうイメージだ。
フォワードとセンターにガードの役割を果たせる。
そしてガードのゴリゴリポストアップ勝負で挑む。
オフェンスは遅攻め。
むしろアメリカのバスケのように完全なセットプレイ重視。
日本全国津々浦々行われるパス&ラン・ムービングオフェンスはやらない。
ディフェンスはオーソドックスにしっかり守る。



狙いは簡単で、日本全国行われているパス&ラン・ムービングオフェンスは、
ガードが潰れると機能しなくなる。
そこでガードがゴリゴリポストプレー勝負することで、相手ガードのファウルトラブルを誘引する。
スタメンクラスのガードを退場、もしくはプレイタイムを減らすことで勝利を狙う。
また、インサイドとアウトサイドの役割が逆転することで、相手は慣れないディフェンスを強いられる可能性が高く、ここでまたファウルトラブルを誘引できる可能性が高い。
そしてセットプレイーに対するディフェンスも、日本全国でパス&ラン・ムービングオフェンスしかやっていない以上、大半は守り慣れていないはずだ。


何が言いたいかと言えば、ビジネスでいうイノベーションのセオリーに照らし合わせてみると、
このような他と違うスタイルが一つくらい生まれてもいいのでは?
ということだ。


マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏のブログ
第27回  アップルのイノベーションの源流
より引用します。


イノベーションは非連続、すなわち「思いつくかどうか」の勝負である。優れたイノベーションを生むには、「思いつく」ことが必要で、「思いつく」には「考える」ことが必要だ。常日頃から考えていなければイノベーションは生まれない。何を考えるかではない。どのように考えるかが重要である。やはり、答えはアップルにあった。Think Different。スティーブ・ジョブズ復帰後の1997年にアップルが掲げたスローガンである。他と違うように考えることが重要なのだ。

違っていて当たり前の世界で個性を出そうとするなら、もっと、トンデモなく、徹底的に「違うこと」が求められる。そこまで意識して初めて「ぶっ飛ぶ」ことができる。ぶっ飛んでいること - 難しく言えば、連続性を断ち切る非連続。つまりそれがイノベーションだ。

Different、違い。それが決定的に重要だ。気が違っているのではないかと、クレイジーではないかと思われることも厭わないほど「違う」ことを重視する。Think Different のスローガンを掲げたCMで使われた台詞を紹介しよう。これこそがイノベーションを生む源流だと思う。

クレイジーな人たちがいる。
不適合者、反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に、丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち。

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

そんな彼らを引き合いに出すことも同意しないのも自由。
賞賛しても、けなしてもいい。
しかし、彼らを無視することだけは出来ない。

なぜなら彼らは物事を変えていくからだ。
彼らは人類を前進させるからだ。
彼らはクレイジーと言われるが、
私たちは彼らを天才だと思う。

なぜなら自分が世界を変えられると
狂信的にまで信じる人たちこそが
本当に世界を変えることができるのだから。


せっかくだからCM映像を見てみよう。



気分は高揚する。


日本の指導者にThink Different、他と違うチーム作りをする人が現れた時に始めて日本のバスケもレベルが上がるのかもしれない。


Think Different
Just Do It



2013年は何か一つでも違うことをしてみよう!


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参考ブログ:広木隆の「投資の潮流」第27回  アップルのイノベーションの源流
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 書評:攻め切る 指揮官 西野朗の覚悟

久しぶりの書評だが、そして年末だが、あえて厳しくいきたい。

攻め切る―指揮官西野朗の覚悟

攻め切る―指揮官西野朗の覚悟


西野朗氏と言えば、知りたいことは絞られてくる

レイソル、ガンバ、ヴィッセルでの不可解な解任
マイアミの奇跡について
ガンバ大阪の強さの秘訣


だいたいの人が以上のことについて知りたくてこの本に手を伸ばすと思うが、
残念ながらどの点についても詳しく触れられていない。
日立製作所のコーチからユース代表のコーチを経てスタートしたキャリアを、
ガンバ大阪時代の終わりまで淡々と描いた一冊である。
しかし、テーマが定まらないため、ただ事実を並べて追いかけているだけで
起承転結がない。
最近どこかで似たような内容の本を読んだなーと思った。
そう、その本も事実を時系列に追いかけているだけの一冊だった。


ネルシーニョ すべては勝利のために

ネルシーニョ すべては勝利のために


ネルシーニョがいかにすごいかを、結果論的にひたすら綴った内容は正直つまらなかった。
コアなファンならシーズンや試合を思い出しながら楽しめるも知れないが、一般のファンには物足りない。
西野氏に関するこの一冊も残念ながら同じ部類に入ってしまう。


まず
レイソル、ガンバ、ヴィッセルでの不可解な解任
について。


レイソルの解任については、正直この一冊の方が詳しく書いてある。

人を束ねる (幻冬舎新書)

人を束ねる (幻冬舎新書)


ただ当時その後ガンバへと移る際に西野氏が、
日立からパナソニックに移っていいものだろうか?
と考えたというエピソードは、
まだまだ実業団の影響が強く残っていたことを伺わせる。
その点でJリーグが近年いかに企業色を払拭できたかを象徴する意味で西野氏の存在は貴重かもしれない。


そして残念ながら本のハイライトにもなり得たガンバの解任劇については特に詳しくは触れられていない。
理由はわからない。
その後のヴィッセルに関しては、出版のタイミングでまだ解任される前だったため、触れられていない。



次に
マイアミの奇跡について
だが、

こちらも内容が薄い。
マイアミの奇跡と言えば、一つの話題作が西野に大きくスポットライトを浴びせた。



中田や前園の攻めたがる攻撃陣、アピールして海外へと羽ばたきたい選手、
その一方で直面する厳しい現実との狭間で葛藤する監督として脚光を浴びた西野だが、
この時の心情や決断、悩みや背景はこの本からは浮かび上がってこない。


この傾向はガンバ時代の描写でも続く。

ガンバ大阪の強さの秘訣

10年も続いた希有なこの一時代の強さの源は残念ながら見えてこない。
外国人選手が10得点取ろうものならすぐに引き抜かれる現状など、
普段あまり伝わってこない点もいくつかあるものの、
どうやってあのプレースタイルに行き着いたか、
その哲学や秘訣、さらには苦労した点などがあまり浮かび上がってこない。
ただ伝わったのは、彼が攻め続けたかったという意志のみ。
しかし何故そうなったのか?
過去に何かトラウマがあったのか?
彼を突き動かしたのは何か?
そしてマンネリせずに10年も続けられた秘訣など本来なら深く知りたい部分は届けられない。


やはりこれが自伝ではないせいだろうか?
より多くの考察、インタビュー、証言が欲しいところなのだが、
ないが故にどうしても薄い淡白な内容となってしまう。
元々西野氏に饒舌な印象はない。
ひょっとするとまだ現役へのこだわりが強いためか、
手の内を見せたくないのかもしれない。
しかし、西野朗を描くということは、やはり解任の真実や、G大阪の攻撃サッカーに深く迫るということではないだろうか?
そこを攻め切れずして西野朗を語れずではないのだろうか?


一方そこを埋めるためか、この本にはカラーの写真がふんだんにある。
確かに西野氏は俳優の西島秀俊や一昔前なら草刈正雄に似ているかもしれない。
しかし、私は彼の外見が好きな女性ファンではないため、残念ながらこれに関しては特に心は動かない。


正月にはいよいよ天皇杯の決勝が行われる。
Jリーグが20年目の成人を迎えるシーズンのフィナーレは、
皮肉にも薄い内容の本で紹介された2人の監督、西野朗ネルシーニョが影響する2チームの戦いとなった。。


残念ながら今回のこの一冊で西野氏の人物像や指導哲学、ノウハウは浮かび上がってこなかった。
仕方ないから、優秀なブロガーとネットの情報を活用して、彼を知るとしよう。
そして天皇杯決勝に備えよう。


西野朗監督の攻撃的サッカーの評判について

【ヴィッセル神戸、西野朗監督解任について一言】

独占インタビュー 西野朗『超攻撃の美学、勝負師の哲学』(前編)

西野朗監督とガンバ大阪 「後一歩が不足し続けた10年間。バランスが取れなかった10年間。」

西野朗氏「俺の嫌いな根性論が必要になってくる」



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日本のスポーツビジネスの現状と問題点について


日本のスタジアム問題について

 高校ラグビーの危機

高校ラグビーの人気が危機的な状況を迎え始めている。
競技人口とともに、参加校が極端に少ない地区が増えている。



島根県の県予選参加校は2。
高知は3。
福井も3。
山形、香川、佐賀は4。
14地区がなんと1桁台。


反面、愛知は56。
埼玉は52。
神奈川は47。
福岡は46。
この地区はそれぞれ代表枠1を争う。


全国大会の優勝校は1998年から、神奈川、京都、大阪、福岡に限定される。
当然参加校が少ない県の代表は歩が悪いと言われても仕方ない。
ちなみに今年の島根県決勝のスコアは
202対0
毎年話題になる佐賀県の決勝は
185対5


しかし、参加校が多い県も安心していられない。
なぜなら全てが単独チームによる参加ではないからだ。
東京の51校中25校しか単独チーム参加がなかった。
他は複数校による合同チームというのが現状。


ラグビー協会から聞こえてくる改革案として、
花園出場校の数を32に減らすことや、
7人制の普及などが挙げられている。
正直どれもパッとしない。
そもそも参加校を少なくしてどうするのだろうか?


しかし確かに日本のラグビー界には地域格差が生じている。
トップリーグのチームの所在地をみてみよう。


東京
サントリー
東芝
キャノン
リコー


千葉
NEC
NTTコム


群馬
パナソニック


静岡
ヤマハ


愛知
トヨタ


大阪
近鉄
NTTドコモ


兵庫
神戸製鋼


福岡
サニックス
九州電力


これと大学の勢力図を考えればわかる通り、ほぼ関東、関西圏に主要チームが集中している。
群馬のパナソニック、静岡のヤマハ、愛知のトヨタだけいささか孤立している。
ちなみにトップリーグ下のトップイーストトップウェストを見渡しても、
秋田ノーザンブレッツ釜石シーウェイブスなどがあるものの、関東、関西集中傾向は続く。


単純に考えてみて、スポーツとはやることはもちろんだが、
生で見ること、そして実際に対戦する、プレーすることで受ける刺激は強いはずだ。
そうなった場合に、関東、関西、福岡以外の地区はどうしたらいいのだろう?
これこそがラグビーが普及しない最大のボトルネック、問題の根源ではないだろうか?


静岡、愛知、群馬もひょっとすると風前の灯かもしれない。
高校生達が触れる機会が少なすぎないだろうか?
切磋琢磨する相手すらいなくて、試合をしたら200対0、
これでラグビーを始めろと言っても無理があるだろう。


九州なら東福岡は近隣にラグビーをやっている高校が多い。
そして九州電力サニックスと練習試合ができるかもしれない。



大阪なら天理や同志社などの大学のみならず、近鉄神鋼と練習試合できるかもしれない。
その結果学生のレベルが上がり、その後トップのレベルが上がり、世界でも勝てるようになると
人気面でもいい循環が生まれかもしれない。
でもこれが群馬だと同じ図式が描きにくい。


そうなると地域密着型クラブの発想が出てくるのだろうが、
ラグビーは企業スポーツのため難しい。
地域密着型のクラブの発想で行くと、ヤマダ電気の本社が存在する群馬は、パナソニック・ワイルドナイツのスポンサーになるのだろう。
群馬のラグビーチームを支援し、そのユースチームが出来、
地元高校と切磋琢磨、または時に協力して(指導者の派遣など)、
地区大会を勝ったチームが花園に向かう。
こういう未来ができるといいのだろう。
しかし現実ではヤマダ電気が、パナソニックの企業チームを応援したら、
東芝NECは黙っていないだろう。
またクラブチームが全国高校ラグビー選手権に出場資格があるのかどうか?
やはり現状のままでは、どこか無理が生じるのだ。


ラグビー協会ができることはなんだろう?
私は指導者の派遣ではないかと思う。
しっかりとした指導者の数を増やし、ラグビー過疎地区に派遣する。
反対も出るだろう。
学校側とも調整がかなり必要だろう。
しかし島根県代表の石見智翠館も、202対0の試合をするより、
もっと競った試合をしたいのではないだろうか?
佐賀工業も多少骨のある相手を求めていないだろうか?


さらにラグビーは危険が伴うスポーツである。
しっかりとした指導なくして、いきなり全国を争う強豪校と、
吹奏楽部から助っ人を依頼して対戦をする学校との試合は、
安全面でも不安が残る。
この状況を改善するには、良い指導者を派遣するしか手はないと思う。
その数が少しずつ少しずつ増えていって初めてラグビーが根付くのではないだろうか?


これができないのであれば、トップリーグのグラウンド所在地を大幅に変更していかなければならないが、
これは企業に支えられている以上考えられない。


その他の代案としては、Jリーグや欧州のサッカーリーグでも度々話題に上る、
スーパーリーグ構想だろう。
関東、関西、福岡エリアの強豪校ばかりを集め、リーグ戦を行う。
これは学生スポーツの意義、教育的価値に反するだろうから現実性は乏しいだろう。
しかし強化の面だけを考えれば効果はあるだろう。
レベルの高い競った内容の試合を繰り返すことで、選手とチームのレベルは引き上げられていく。
一方でこのスーパーリーグ構想はより特定地区集中の色を強め、普及のスピードを遅くするかもしれない。


どちらにせよ、日本には2019年にワールドカップがやってくるという現実が迫っている。
7年後に活躍しているだろう高校生の現状がこのような惨事であることはかなり危機的である。
しかしだからといって特効薬、即効性のある手が見えてこない。
優秀な指導者の絶対数も問題なのに、
さらに全国に派遣していくとなったら、効果が表れるのは何年後だろう?
そしてそもそも協会にはそのような財力があるのか?
気分が暗くなるばかりだが、こうなったらやはり代表と
エディー・ジョーンズという世界的にもトップクラスの
指導者に期待するのが一番なのかもしれない。
まずはトップの強さが若いラガーマンを惹き付けることを願おう。


エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由

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日本のスポーツビジネスの現状と問題点について


日本のスタジアム問題について

20年目のJ

今年で20周年のJリーグが、サンフレッチェの優勝で幕を閉じた。
成人となった年に、中堅都市の育成型クラブが勝ったことは、
良くも悪くも今のJリーグの現状を表していると思う。


良い面では、昨年の柏に続き、大都市の大型クラブでなくても優勝できるだけの懐の深いリーグになってきたこと。
育成システムがしっかりしているチームが増えていること。
特にサンフレッチェは他チームに先駆けてユースの寮を持ち、
地元の高校と提携するなど一環とした方向性と継続性はリーグに与えた影響は大きいだろう。



さらにクラブライセンス制度などの導入で、つぶれたり消失するクラブがなくなってきていることも、
成人の証だろう。



一方で、サンフレッチェの経営規模はJリーグの中でも平均以下。
トップの浦和との営業収支は約半分。
浦和:約54億円
広島:約27億円

さらに、先のクラブW杯でも後半は持ち直したものの、アルアハリに前半防戦一方の戦いぶりも露呈してしまった。

Jリーグが経済的にも実力的にも頭打ちのようなシグナルとも取れるかもしれない。


しかしJリーグも危険信号を察知していない訳でもない。
今年特に目を引いたのは、海外戦略。
欧州や南米の先駆者達と違うマーケットで競うべく、東南アジアに打って出た。
タイ、ベトナムミャンマーとリーグパートナーシップを結び、ノウハウを提供する代わりに、
放映権などの見返りを期待する。


これはこれで評価するのだが、長期的に見てのプラスはたくさんあるものの、
短期的なこの倦怠感を打破するものでもない。
集客増も見込めるものでもない。


そこでJリーグのなかのトップチームをさらに選出してスーパーリーグを作る構想もあるようだが、
こちらは現状の制度を大幅に変える必要があることなどからすぐには見込めないだろう。


リーグはさらに現状の「春秋制」から欧州リーグに合わせた「秋冬制」への移行も検討しているが、
これでビッグクラブが生まれるのかどうかは疑問な点が多い。
選手の観点から見たら海外移籍しやすくなることは、スターが生まれる可能性が増えることを意味するが、
その恩恵をチームがどれだけ受けたかは現状わかりにくい。
チーム側が選手とうまい契約をした上で、移籍金もしくは育成負担金が見込めることを前提にしない場合、
チームとしてはマイナス面が多いかもしれない。
実際中村俊輔がFマリノスに戻って観客は大幅に増えただろうか?
グッズの売り上げは上昇しただろうか?
あまり中村帰国バブルは聞こえてこない。


ではどうするのがいいのだろう?
現状のJリーグで大きな財布を動かせることが期待できるチームは少ない。
少ないけれども楽天の三木谷氏のようなオーナーもいる。
古典的な方法だが、こういうのはどうだろうか?

ヴィッセルベッカム獲得!



既に一度この男の獲得で大ヤケドしているクラブだけに、

かなり慎重になるだろう。
しかし夢があっていいではないか?
奥さんが来日するだけで日本を元気にしてくれるかもしれない。
ベッカムは実際今移籍先を探しているようだが、残念ながら日本の名前が出てこない。


さすがにベッカムだとお金が掛かりすぎるなら、この男はどうだろう?



こうなったらジーコ鹿島を真似してバラックに全権を託す。
ドイツとのパイプをより深め、Jのチームにゲルマン魂を注入!
既に引退したが、ジーコ同様1年ほどプレーしてもらいたいくらいだ。


さて、夢物語はここまでとして、現実的な路線はJの中でスーパーリーグを作るのではなくて、アジアスーパーリーグを作ることだろう。
アイスホッケーが苦肉の策でそういったリーグを形成している。
日本リーグのチームが多く撤退したことなどが発端の一因)
韓国、中国、オーストラリアのトップ5チームで競うリーグ戦を行う。
実力的にはアメリカも加えたいところだ。
そうなるとより現状の「春秋制」を見直さないといけない。
オーストラリアだけ季節が逆になることもややこしい。
さらにACLとの棲み分けも必要になる。
課題山積み。
この場合、自国リーグには参戦しないのも手かもしれない。
いずれにせよ、常に一つ上のレベル、もしくは常に全力を出し尽くさないとやられてしまうレベルの試合を作りを設けない限り、Jリーグは縦には伸びない。


アジア戦略も結構、ライセンス制度導入などでつぶれないようにすることも結構、
チーム数を増やすことも結構、しかしどれも横への広がりばかりだ。
今必要なのは、横への広がりと基盤作りの上に乗っかる、縦への伸びだろう。
そのためには協力なリーダーシップがリーグ、もしくはどこからのチームから出てこない限り、
ヘンに成熟してしまった今のJリーグでは厳しいだろう。
そのためには、放映権などリーグが一括管理しているような護送船団的運営から脱さないといけないのかもしれない。
しかしそれには相当なリスクが伴う。
何か現実的な策はないだろうか?


スポーツは時代の映し鏡だとすると、Jリーグは成人を迎えて一種の草食系男子化してしまったのかもしれない。
だとすると現状を打破するには肉食系が求められる。
Jリーグに関わっている関係者で肉食系男子は私は三木谷氏しか知らない。
多いにリーグに刺激をしてもらいたいのだが、残念ながらヴィッセルの戦績はちっとも上昇する気配が感じられない。


でもほら、海外進出のチャンスだと言ってるじゃない!!?
しかも英語で!
それってサッカーに置き換えるとACLのことですよ!
縦に伸びるのは上であるべきで、J2ではありません!


実は我ながら今回のお題となるJリーグがどうやったらビッククラブを生み出せるかについてまだ答えがない。
ただ一つ言えることは、ローマは一日にしてならず。
日本のサッカー文化は世界でも例をみないほど恐るべきスピードで進化した。
しかし成人を迎え伸び悩みに直面している。
地理的なものを含み、海外に活路を見出すことはなかなか難しい。
内需拡大
どのように達成するかは、地に足をつけて一歩一歩進むしかないのかもしれない。
一人の人物に託したり、肉食系スーパーオーナーやリーダーの誕生を待つ神頼みもよろしくない。
今後も必死にこの件について考えていきたい。
来年からは、成人となったリーグと共に我々も成熟した大人としてスポーツを支えていく責務があるのだろう。


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日本のスポーツビジネスの現状と問題点について


日本のスタジアム問題について



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ヤクルトとブラジル

12月4日の朝日新聞の西村欣也編集委員の記事を読むまでは、私はヤクルトスワローズとブラジルの関係について全く知らなかった。


内容は、WBCの本大会にブラジルが出場を決め、ブラジルのヤクルト野球アカデミーの卒業生が貢献しているというのだ。
パナマから大金星を挙げたブラジルの主将は、ヤクルトの松元ユウイチ選手。




エースはヤクルト野球アカデミーの卒業生のフェルナンデス。


ブラジルと日本を野球でつなぐスワローズは、親会社もブジラルでのビジネスは好調だ。

記事:[http://diamond.jp/articles/-/12376:title=ヤクルトは、なぜ新興国市場で強いのか
ミルミル伸びるBOP戦略の秘訣]


最近あまり聞かなくなったが、広島カープのドミニカ共和国アカデミーの存在は有名だ。
このアカデミー出身の最も大成した選手は、MLBで活躍中のこの人だろう。



いずれヤクルト野球アカデミーからもメジャー級の名選手は生まれるのだろうか?


さて気になったので、ブラジルのアカデミーについて少し調べてみた。


開校は2000年。
サンパウロ州郊外の広大な土地に立派な施設をブラジルの野球連盟とヤクルトとで共同運営しているそうだ。
12歳から18歳の選手が約40名寮生活を送っているそうだ。



ご存知ブラジルはサッカー大国。
野球で世界の舞台に立つことで、ブラジル国内の見る目が少しは変わるだろう。
そしてその立役者、パイオニアは日本で活躍する母国の選手。
おかげで日本の印象も少しは良くなるかもしれない。
このまま続けて育成が成功すれば、野球ビジネスの拡大につながるかもしれない。


ただ一つ気になる点がある...
今回のブラジルの監督が、なんとあのバリー・ラーキンだったそうな



これだけブラジルに食い込んでいるヤクルトなら、せめてこの人に指揮を執ってもらいたかった。



いずれにせよ、野球というスポーツを通して、そしてビジネスを通して海外と交流しているヤクルトという会社の印象が良くなった日でもあった。


参考記事:ヤクルト・ユウイチが導いた! ブラジル、WBC本大会出場の快挙



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Jリーグと校庭の芝生化



前回は日本のスタジアムにおける芝生の管理、維持の難しさについて書いたが、
今回はより日常的な校庭の芝生の現状と問題について考えてみたい。


全国にある校庭を芝生化できるか?
そしてその問題とは?


まず芝生化する利点として

  • 温度上昇の抑制
  • 砂や土ぼこりの抑制
  • 子どもが外で遊ぶ機会及び時間の増加

(いじめ撲滅の一助?)

  • 安全性の向上
  • 住民の交流の場に


一般論としてはこのあたりだろう。


競技力の向上から考えた場合に、

(サッカーならスライディング技術の向上)
ラグビーならタックル周りの技術の向上)


反対に芝生化するデメリットは簡単に言えば以下二つだろう

  • 初期投資の負担
  • 維持、管理が難しい


さてそこで現状である。
最新のデータではないが、文科省の2009年の発表によると、
全国3万5831校の公立学校で


芝生化された学校は、1746校


20006年の3.7%から4.9%にアップ。


東京都では175校、整備率は5.8%。


ちなみに2006年時点で最も整備率が高かったのは鹿児島の29.6%


ダントツのビリが岡山県高知県のなんと0%


2006年時点の大阪府は7.8%で108校。
橋下徹が積極的に推し進めた効果だそうだ。
彼は高校ラグビー経験者。
きっと芝生の上でプレーする渇望と喜びを知っているのかもしれない。
芝生化に関心ある人は、次の選挙では彼の政党に一票入れることになるのだろうか?


ちなみにNZはほぼ100%に近いそうだ...


さて、ここでJリーグの取り組みである。



こちらミスター・ピッチは、Jリーグ百年構想の一環として、全国に芝生のピッチを増やす活動のキャラクターである。
その理念はこちら


[http://www.j-league.or.jp/100year/lawn/:title=Jリーグの芝生化への取り組み]

Jリーグでは芝生の校庭がある学校でサッカー教室の開催やキャンペーン活動を行い、グラウンドや校庭、園庭の芝生化の応援活動を行っています。校庭やグラウンドの芝生化は全国各地で成果を挙げ、現在、日本全国に芝生の校庭を持つ学校は、1,900校以上にまでなりました。
 弾力性に富んだ芝生の上では、体への衝撃も和らぎ、けがの防止に役立つのは言うまでもありません。芝生の張られた校庭や園庭では、はだしになった子どもたちが元気に走り回り、跳びはね、明るい歓声が満ちています。目にも優しい芝生の緑色は「いやし」の効果もあり、気持ちを穏やかなものにしてくれます。生き物である芝生との触れ合いは、命の大切さ、環境への配慮を考えることにもつながります。

 さらに、芝生は地域の人々の交流を活発にし、そのきずなを深める効果も秘めています。芝生の維持には、多くの人々の協力が欠かせません。そのための活動を通して会話が生まれ、共通の目的への仲間意識も芽生えます。芝生はまさに、地域の交流のシンボルともなるでしょう。


この活動の結果、多くのクラブが地元の行政と手を組み、ピッチ作り、もしくは維持・管理のノウハウを共有している。
味の素スタジアムで問題になっているFC東京小平市調布市と行っているし、
湘南ベルマーレも小田原や近郊の学校を手伝って緑の景色を増やしている。
沖縄では以前ブログでも書いた、サッカーのキャンプ招致ビジネスの一環で、芝生の質が問題となり、
国立競技場などの芝を管理している東洋メンテナンスに事業委託して芝生ソムリエの育成を力を入れている。


こうやってJリーグの尽力によって全国の校庭に着々と芝生が増えているのだが、問題がないわけでもない。
素人だけで管理してせっかくの芝が枯死したケース。
これは一部であったり、全部であったり様々なようだ。
そして原因も様々で、日の当たり具合、頻繁に踏まれる箇所、そして幼虫やカラスなどによる被害。
日本サッカー協会のシンボルがカラスなので何ともいえないシュールな結末だが...
極端なケースでは、野球部とソフトボール部の親が怒りに任せて剥がしてしまったケース。
こうなってくると何がなんだかわからない。


しかしこれらの問題の根にあるのは、やはり初期投資の問題だろう。
真っ当に緑一面のゴルフ場かのような綺麗な芝生を敷き詰めようとすると、
自動散水できるスプリンクラー(水撒き機)などを含めてざっと5000万以上掛かりかねない。
年間の維持費に至っては200万円にもなる。
(校庭の面積によって差がある)
これは欧米と比較して、初期投資が5倍、維持費が10倍という声もある。


参照:芝生普及のためのイノベーションを提供する企業: ケースワイズコンサルティング(株)


そこで登場するのが最近よく耳にする「鳥取方式」!

35年前にNZから来日したNPO法人「グリーンスポーツ鳥取」の代表、ニール・スミス氏が提唱する芝生の管理方法だ。
Jリーグのようなピカピカのピッチ(全部がそうでもないが)でもなく、ゴルフ場のグリーンでもない、
雑草を活かす芝生だ。
コストが安く維持も簡単。
維持方法に関してスミスさんは、
「肥料も水やりもできなくていい。とにかく頻繁に芝刈りをすればいい」
いささか極端な気がしなくもないが、Jリーグ並のピッチは1㎡あたり2〜3万円掛かるのに対し、こちらは100円。
彼らの芝生の定義とは、

種類を問わないで草や芝を
頻繁に刈って出来上がった
転んでも痛くない絨毯のような形状

だそうだ。
しかも何千万円もかける必要がない。
本格的な試合は無理かもしれないが、これなら地域交流、温暖防止、子どもの遊び促進などの目的は叶えられそうだ。


こうやってみてくると、日本のスポーツ界にとって校庭が芝生化されることのよるプラスの方が多そうだ。
運動が好きな子どもが増え、さらに競技力向上の下地が芝生によってもたらされる可能性が高い。
ただ問題は、やはり人なのだろうか?
芝生化のノウハウを持っている人がどれだけいるのだろうか?
そして芝生化の利点を知っている政治家、行政、及び市民がどれだけいるのだろうか?
もちろん東京都や川崎市のように予算化しているところもあるが、もっともっと広がりが欲しい。
成功している地域では、高齢者の健康増進の一環として芝刈り作業に参加しているケースもあるようだ。


常々思うのだが、まずは全国に増えている廃校のグラウンドをまず芝生にしていくことはできないだろうか?
トライ&エラーの余地がまだ在校生のいる学校よりあるだろうし、
地域交流のハブとしての役割としてももってこいだろう。
私は常々地域密着型のスポーツクラブは廃校を再利用するべきだと思っているが、芝生化のハブとしても活用できるだろう。

参照:廃校をスポーツクラブに


Jリーグは今年でまだ誕生して20年。
20年という年月を経て、競技力という点ではワールドカップでベスト16という地点まだたどり着いた。
この百年構想の芝生化運動はまだ開始から7年しか経っていない。
13年後に芝生の普及率はどれくらいになっているだろうか?
今後もこの活動を応援したいと思う。


にしてもラグビー界から何も聞こえてこないのは何故だろうか???



参照: プレイバック・報道ステーション企画 『こんなに安く簡単に校庭が芝生になるなんて驚き!』


関連記事:Jリーグ 芝生問題から見えるスタジアムビジネス問題


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