2012-01-01から1年間の記事一覧

 書評:攻め切る 指揮官 西野朗の覚悟

久しぶりの書評だが、そして年末だが、あえて厳しくいきたい。攻め切る―指揮官西野朗の覚悟作者: 戸塚啓,清水和良出版社/メーカー: アートヴィレッジ発売日: 2012/06/20メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る 西野朗氏と言えば、…

 高校ラグビーの危機

高校ラグビーの人気が危機的な状況を迎え始めている。 競技人口とともに、参加校が極端に少ない地区が増えている。 島根県の県予選参加校は2。 高知は3。 福井も3。 山形、香川、佐賀は4。 14地区がなんと1桁台。 反面、愛知は56。 埼玉は52。 神…

20年目のJ

今年で20周年のJリーグが、サンフレッチェの優勝で幕を閉じた。 成人となった年に、中堅都市の育成型クラブが勝ったことは、 良くも悪くも今のJリーグの現状を表していると思う。 良い面では、昨年の柏に続き、大都市の大型クラブでなくても優勝できるだ…

ヤクルトとブラジル

12月4日の朝日新聞の西村欣也編集委員の記事を読むまでは、私はヤクルトスワローズとブラジルの関係について全く知らなかった。 内容は、WBCの本大会にブラジルが出場を決め、ブラジルのヤクルト野球アカデミーの卒業生が貢献しているというのだ。 パナマ…

Jリーグと校庭の芝生化

前回は日本のスタジアムにおける芝生の管理、維持の難しさについて書いたが、 今回はより日常的な校庭の芝生の現状と問題について考えてみたい。 全国にある校庭を芝生化できるか? そしてその問題とは? まず芝生化する利点として 温度上昇の抑制 砂や土ぼ…

 Jリーグ 芝生問題から見えるスタジアムビジネス問題

Jリーグの芝生が問題視されたのは、2008年の味スタ、FC東京のピッチコンディションの低下から端を発した選手のケガ続出とパフォーマンスの低下が最初かもしれない。 当時のFC東京村林社長は声を大にして問題視し、移転問題まで話に上がる始末だった。 そ…

東京都は本当に五輪を招致する気があるのか?

10月21日、朝日新聞朝刊に「五輪招致書類を紛失」と一面で報道される。 前回活動費のうち、8事業18億円の書類がなくなったというのだ。 都スポーツ振興局は「なぜ無くなったかわからない」と答えている。 8事業は、 IOCに提出する計画書作成委託費 I…

今こそ井原正巳を語る意義

日本代表MF、遠藤保仁選手が代表最多出場をブラジル戦で果たした。 代表監督が、フランス、ブラジル、東欧、日本、そしてイタリアと変わっていく中で、彼だけが変わらず選ばれ続けたことが実力を証明している。 その一方で、この機会に遠藤が抜いた偉大なる…

横浜FCの問題横断幕

▼横浜FCがダービーで掲げられた横断幕について謝罪、提出者には処分も (ゲキサカニュース)横浜FC 天皇杯委員会から“侮辱”横断幕に厳重注意… (スポニチ)写真をみてもらえば、わかる人はわかる。中にはこの処分は大袈裟だとか、ここまで問題視する必要は…

伝統を大切にするか?Jリーグ?サンフレッチェ?

以前野球界の伝統を大切にしない習慣とそれによって失うものについて書いた。 ブログ - 伝統を大切にしない日本のスポーツとスポーツメディア 間もなくクライマックスシリーズが始まるが、この流れがたいして変わるとも思えないので、さして期待はしないのだ…

WBC監督・コーチ人事

WBCの人事には野球の将来性が全く感じられない。 現場から長い間離れている、しかも監督として成績も残していない大物古株の起用。 コーチ陣も同様。短期決戦、トーナメント経験豊富でもない。 短期決戦に強いのは甲子園の指導者。 アマチュアとプロの連携が…

沖縄のスポーツビジネスモデルを北海道に置き換えて考えてみる

前回は沖縄県とFC琉球の観光とスポーツを融合させたビジネスモデルに注目してみた。 そこで今回は、このビジネスモデルを北海道に当てはめて考えてみたい。 沖縄のポイントはプロチームのキャンプの誘致。 プロ野球ではどの地域も圧倒する人気名所となってい…

沖縄とスポーツビジネス

沖縄の経済が注目されている。 実質成長率ランキングは東京の1.05%を上回って1.07%で全国1位。 人口減少が著しい国内で唯一2025年までは増加予想の県でもある。 アジアへの物流拠点、基地返還後の一等地が生まれることなどからまだまだ期待されており、…

かつて日本にいたバレーボール界のジョブス

日本バレーボール協会は今日、日本代表監督の選考プロセスを発表し、候補者を公募することを発表した。 ヘンな協会だなーというのが第一印象。 自信があるのかないのかわからない。 上から目線なのかへりくだっているのか。 明らかに世界の優秀な指導者とコ…

SB食品廃部と時代の潮流

約60年もの歴史があったそうだ。 1954年の創部。 それ自体がかなりの驚きだが、残念なニュースは突如やってきた。 しかし改めて見ると納得してしまう部分もありつつ、先見の明がもう少しでどうにかなりそうな感もあったのに悔やまれる廃部のニュースだ…

海外で活躍する日本人トレーナー

ロンドンオリンピックでは、いかに科学的なトレーニングとサポートが受けられるかによって、パフォーマンスに大きな差が出ることが広く知られた。374億円をかけて創られたナショナルトレーニングセンターの効用が大きく取り上げられ、日本のスポーツ界も…

白樺のポーズと体幹の重要性

サッカー界では岡田ジャパンのトレーニングで話題になったこのポーズ。 実は体操界では当たり前に使われていた言葉だとか。 体幹の重要性が騒がれている今日この頃。 このポーズができるかどうかが肉体のポテンシャルを引き出せるかどうかの鍵を握っている。…

 少ない女性指導者 日本の女子サッカーの現状

現在S級ライセンスを取得した人は日本に347名いるらしい。ちなみにS級ライセンスを保持しているプロを指導できる。そのうち3名が女性だ。本田美登里、半田悦子、高倉麻子のたった3人。なでしこで沸く責任感のないマスコミはとりあえず置いておいて、こ…

書評:フットボールサミット 第5回 拝啓、浦和レッズ様 -ビッグクラブの迷走と再生-

フットボールサミット第5回 拝啓、浦和レッズ様 そのレッズ愛、本物ですか?作者: 福田正博,島崎英純,大住良之,沢田哲明,竹田聡一郎,石井隆,了戒美子,浦山利史,杉江由次,『フットボールサミット』議会出版社/メーカー: カンゼン発売日: 2012/01/25メディア: …

書評:争うは本意ならねど -日本におけるドーピングとスポーツの問題-

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール作者: 木村元彦出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2011/12/15メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 84回この商品を含むブログ (18件) を見る もう間もな…

書評:「本田にパスの36%を集中せよ」 サッカーとデータ分析の歴史

マネーボールという野球界の概念に楔を打った一冊が世に登場したのは、2003年のことである。 今までの慣例、習慣、常識、通説をデータ分析により覆して、弱小金欠チームのオークランドA'sをプレイオフの常連にしたGMビリー・ビーンの活躍はその後ブラッ…

日本人が五輪100mの決勝に立つ日

日本人が五輪100mの決勝に立つ日 (日文新書)作者: 中村宏之出版社/メーカー: 日本文芸社発売日: 2011/07/30メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 著者は現在日本陸上界短距離走のトップを走る福島千里選手のコーチ。 元…

自分の足で歩こう

5月8日の日経新聞に掲載されたゴルフの水巻善典プロのコラムが興味深い。 石川遼に対し 心のタフさを身につけるためにも独り立ちをする時期にきていると思う。 彼はチームをつくり、何人も一緒に転戦している。 しかしコースに立てば、自らをたのむしかな…

文武両道!? 日本のスポーツ界が直面する課題

今年の全米大学バスケットボール選手権を制したのは、ケンタッキー大学だった。 スタメンの5人は、1年生が3人、2年生が2人。 全員NBAドラフト入りを表明。 (ケンタッキー大のスタメン5人についてポッドキャストでより詳しく語ってます) 競技は変わっ…

書評:ジャパンのために―日本ラグビー9人の肖像

書評:ジャパンのために―日本ラグビー9人の肖像ジャパンのために―日本ラグビー9人の肖像作者: 向風見也出版社/メーカー: 論創社発売日: 2011/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 1時間もあれば読み終える内容。 ワールドカップに向けて9…

書評:渡邊恒雄 メディアと権力

渡邉恒雄 メディアと権力 (講談社文庫)作者: 魚住昭,佐野眞一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/08/08メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 246回この商品を含むブログ (58件) を見る 渡邊恒雄は現在巨人軍の人事問題及び清武元GMとの確執裁判で話題の人物…

廃校をスポーツクラブに

4月4日付けの日経新聞の東京・首都圏経済欄に中野区が廃校をスポーツクラブに活用する記事が掲載されていた。 記事のよると廃校となった小中学校の校舎を改修して、区民にスポーツクラブとして開放するとのこと。 13年まで区が運営し、その後町会や体育…

書評:巨魁

清武の乱として11月に会見をした時から、元巨人軍GM清武英利の行動は何故か勢いに乗らない。 3月に巨人軍の中心選手による新人契約金の最高標準額を超えた契約が報道されたのにも関わらず。 理由は様々だろう。 清武本人が世論を味方につけていない。 社…

もっと深く報道されるべきスポーツニュース

最近いくつか今後のスポーツを大きく左右する可能性が大きいニュースがあるのにも関わらず、扱いがやたらと小さいことが気になる。箇条書き、順不同で 堀江らが外れる ラグビー日本代表 日本ラグビー協会は31日、アジア5カ国対抗(4、5月)の日本代表の…

書評: Do You Love Football?

理論派で暗い監督の後に勢いのある監督が来ると、成績が浮上するケースがある。 野村阪神の後の星野阪神だったり、大矢横浜ベイスターズの後の権藤ベイスターズしかり。 NFLの典型例は、ジョン・グルーデンヘッドコーチのもと優勝した2003年(2002年シーズン…