日本のバスケとイノベーション

JSportsがありがたいことに、ウィンターカップのハイライト動画を盛りだくさんアップしている。

JSports チャンネル

とても楽しく見ている。


たくさんの試合を見ていて強く感じることは一つ。
プレーが完全に金太郎飴なのだ。
どこの学校も同じに見える。
どこのプレースタイルも同じ。
パスしてラン、パスしてラン、動きの中で1対1、セットプレイはほとんど見受けられない。
違いが見受けられない。
これは男女問わず、ほぼ同じ傾向と言っても過言ではないだろう。








しかしこれは高校生レベルだけの話ではなくて、実は下から上までほぼ同じなのだ。
これは昨年のブログ記事でも記している。


全日本女子決勝:いい加減違うスタイルを求む


そこでふと思った。
何か全然違うアプローチでチーム作りをしたならば、いいところまで行くのではないか?と。


誤解を恐れずに、そして育成のプロセスや細かいことを抜きにして簡単に書くとこういうイメージだ。
フォワードとセンターにガードの役割を果たせる。
そしてガードのゴリゴリポストアップ勝負で挑む。
オフェンスは遅攻め。
むしろアメリカのバスケのように完全なセットプレイ重視。
日本全国津々浦々行われるパス&ラン・ムービングオフェンスはやらない。
ディフェンスはオーソドックスにしっかり守る。



狙いは簡単で、日本全国行われているパス&ラン・ムービングオフェンスは、
ガードが潰れると機能しなくなる。
そこでガードがゴリゴリポストプレー勝負することで、相手ガードのファウルトラブルを誘引する。
スタメンクラスのガードを退場、もしくはプレイタイムを減らすことで勝利を狙う。
また、インサイドとアウトサイドの役割が逆転することで、相手は慣れないディフェンスを強いられる可能性が高く、ここでまたファウルトラブルを誘引できる可能性が高い。
そしてセットプレイーに対するディフェンスも、日本全国でパス&ラン・ムービングオフェンスしかやっていない以上、大半は守り慣れていないはずだ。


何が言いたいかと言えば、ビジネスでいうイノベーションのセオリーに照らし合わせてみると、
このような他と違うスタイルが一つくらい生まれてもいいのでは?
ということだ。


マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏のブログ
第27回  アップルのイノベーションの源流
より引用します。


イノベーションは非連続、すなわち「思いつくかどうか」の勝負である。優れたイノベーションを生むには、「思いつく」ことが必要で、「思いつく」には「考える」ことが必要だ。常日頃から考えていなければイノベーションは生まれない。何を考えるかではない。どのように考えるかが重要である。やはり、答えはアップルにあった。Think Different。スティーブ・ジョブズ復帰後の1997年にアップルが掲げたスローガンである。他と違うように考えることが重要なのだ。

違っていて当たり前の世界で個性を出そうとするなら、もっと、トンデモなく、徹底的に「違うこと」が求められる。そこまで意識して初めて「ぶっ飛ぶ」ことができる。ぶっ飛んでいること - 難しく言えば、連続性を断ち切る非連続。つまりそれがイノベーションだ。

Different、違い。それが決定的に重要だ。気が違っているのではないかと、クレイジーではないかと思われることも厭わないほど「違う」ことを重視する。Think Different のスローガンを掲げたCMで使われた台詞を紹介しよう。これこそがイノベーションを生む源流だと思う。

クレイジーな人たちがいる。
不適合者、反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に、丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち。

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

そんな彼らを引き合いに出すことも同意しないのも自由。
賞賛しても、けなしてもいい。
しかし、彼らを無視することだけは出来ない。

なぜなら彼らは物事を変えていくからだ。
彼らは人類を前進させるからだ。
彼らはクレイジーと言われるが、
私たちは彼らを天才だと思う。

なぜなら自分が世界を変えられると
狂信的にまで信じる人たちこそが
本当に世界を変えることができるのだから。


せっかくだからCM映像を見てみよう。



気分は高揚する。


日本の指導者にThink Different、他と違うチーム作りをする人が現れた時に始めて日本のバスケもレベルが上がるのかもしれない。


Think Different
Just Do It



2013年は何か一つでも違うことをしてみよう!


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参考ブログ:広木隆の「投資の潮流」第27回  アップルのイノベーションの源流
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