東京都は本当に五輪を招致する気があるのか?

10月21日、朝日新聞朝刊に「五輪招致書類を紛失」と一面で報道される。
前回活動費のうち、8事業18億円の書類がなくなったというのだ。
都スポーツ振興局は「なぜ無くなったかわからない」と答えている。
8事業は、
IOCに提出する計画書作成委託費
IOC評価委員会訪問対応の準備委託費
など高額のものに集中したそうだ。


JOC市原則之専務理事によると
「16年の五輪招致の金の流れは、招致委員会の一部の人間だけが把握していて、事業も業者任せだった」
と話す。


東京都もJOCもずさんなニオイがプンプンしてくる。


20年招致の予算は、前回の様々な批判を受け約半額になるそうだ。
総額にして約75億円だとか。
にも関わらずIOCが5月に発表した五輪招致の支持率は47%止まり。


翌22日、今度は
都「五輪書類見つかった」
の見出しが朝日新聞の朝刊に登場。
担当職員19人が必死に探した結果見つかったらしい。
見つからなかった理由として、
①都庁内の移転の際の混乱
②ファイルに背表紙がなかった
③ファイルに事業名と別タイトルがついていた

大丈夫なのだろうか?


元々東京都の五輪招致はかなり迷走している。



例えばこのポスター。
これはEXILEの宣伝には百も役に立っていると思われるが、五輪招致には一つも役に立っていないと思われる。
はっきり言って、なんだこれは!?
残念ながらダンスは中学の必修科目になったとしても、オリンピックの正式種目ではない。
ボールの1個くらいポスターに入れられないのか?
こんなポスターを貼っていたら支持率が上がらないのも当然だ。
EXILEとオリンピックは何の関係があるのだ?
予算が前回より半分になっているのに、これでいいのか?


そしてさらに

10月25日、石原都知事辞職。
関係者、競技団体幹部からは「勝ち目がないから逃げた」や、「無責任」というコメントが飛び出している。
全員IOC委員への影響に戦々恐々だ。


この調子で東京都はどうやってIOCの信頼を勝ち取るのだろう?
書類は管理できないわ、EXILEの宣伝に加担するわ、リーダーは辞めるわ、真剣に五輪招致をする気があるのだろうか?
やはり理念がはっきりしていないから、見えてこないから支持率が低いのだ。
ロンドン五輪後の調査では66%に浮上したという報道もある。
しかしインフラ整備の古い自民党的な大義名分しか見えてこない今の招致活動と真剣味のなさには指示は集まらないだろう。
必要なのは新しい理念と招致のプロだ。


ポッドキャストオリンピックの歴史とビジネス




関連記事:成熟都市の五輪 東京都の五輪開催の意義は!?
関連記事:オリンピック招致とアスリートのセカンドキャリア
関連記事:2018平昌オリンピック招致;フィギュアスケート金メダリスト、金妍児のスピーチ
関連記事:廃校 再活用 ― その前に 東京のオリンピック招致について
関連記事:オリンピックとモチベーション