J 2020年基準 スタジアム増改築

サッカー場の魅力を増し、収益性を高める取り組みをJリーグが行っているようだ。
協会のワールドカップ招致運動と重ねてより大きなスタジアム、より魅力的なスタジアム改修工事に取り組んでいるそうだ。
Jリーグは2020年にかなり高い基準のホームスタジアム規格を取り入れたい模様。
その理想は、収容3万5千人、スタンドを覆う屋根、VIP席200以上だとか...
現実と乖離している気がしてならないが、リーグはどこまで真剣なのだろうか?
実現すれば嬉しいが、ガラガラのスタンドより小さくても満員のスタンドの方が盛り上がるのは自明の理。
コンサートとかでもそうだろう。
狭い中にギュウギュウ詰めのライブはパフォーマンスが余程ひどくない限り、熱気で盛り上がる側面がある。


さて、そんなリーグの夢物語、もしくは高い目標意識に対して、クラブの方針は様々のようだ。
柏のように5億円かけてまずは3千席増やし、現状の1万5千のラインを突破するクラブもあれば、
川崎のように、市とクラブが協力し、3万5千人やVIP席200以上を目指すクラブもある。
ちなみに柏は今年スタジアムの建物部分を買い取り、自社判断で様々な改築ができるようになったそうだ。
必要に応じて将来スタジアム内におしゃれなレストランやVIP席、さらには増改築できる算段だ。
賢い選択だと思う。
同様に川崎も画期的な試みをしようとしているみたいで、可動式のスタンドで陸上競技トラックで遠くなっているピッチを近づけることを検討しているようだ。
ピッチが遠くてみづらいスタジアムが多い中で、これに続くところが増えると嬉しい限りだ。

クラブがそれぞれ魅力的なスタジアム造りに対して前向きなことは大賛成だ。
しかし協会が2020年に検討する基準の中で、収容人数の部分だけは心配だ。
大きすぎると参入障壁になりかねない。
ビッグクラブにとって有利になり、中小都市の挑戦を困難にするだけだ。
こうなると大都市裕福クラブを対象にした、J1の上にさらにスーパーJ1リーグみたいな構想が必要になってしまう。
何度も言うが、狭いところにぎっしり人を詰め込むことが熱気を生むコツ。
(もちろん安全性には注意が必要だが)
それにもし収容人数にこだわるならば、スタンドの角度をピッチが観やすいように急にする必要があるし、埋めるだけの人気がないと厳しい。
ライセンス制度の導入を2013年から検討しているリーグが、7年後にどこも超満員になっている光景は残念ながら現状想像しにくい。
拡大路線と堅実路線、二兎を追う戦略に矛盾はないだろうか?

いずれにせよ、ハコモノ行政の産物のようなスタジアムではなく、海外に負けないくらいの、そしてオリジナリティー溢れる魅力的な施設が増えることを切に願う。
そしてできるならば、ラグビー共用にしてもらうとなおさらいい。

参考ブログ:Jam the football「Jリーグライセンス制度」【J特】

日本のスタジアムをまとめているサイト:スタジアム・ミシュラン

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すごい時代ですね。。。








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