巨人の補強

色々な矛盾を感じさせる補強である。

ウェブの発達により新聞社の生き残りが厳しく、その流れを止める意味でも朝日・日経・読売が手を組み、来年から「ANY」というサイト及びサービスを始めるそうだ。
そうなると、この3社はYAHOOなどのポータルにニュースを引き続き提供するのか否か?全くもって仲がいいとは言えない3社が果たして連携取れるのか?など問題は山積みだが、そんな問題をよそに、読売新聞社の球団はお金をひたすらに使い込んでいる。
クルーン、グライシンガーそしてラミレス。契約更改もすごい金額でのアップ続出。

その一方江藤・川口から始まった選手流出の流れを止めることができない広島のような球団もある。今年もさらに4番とエースが抜け、もはや「ご自由にどうぞ」と言わんばかりに選手が引き抜かれていく。

ここでもさらにいろいろな矛盾を感じる。
広島カープはもはや大リーグのロイヤルズのような存在になりかけているが、1リーグでのレベニューシェアの話が一向に出てこない不思議さ。このままでは金持ち球団(主に巨人)の人材育成ユースチームと化す。

それに対して広島サイドから聞こえてくる売り文句は、若手をたくさんの練習量で育ててきたチームの歴史とかなんとかという話があるのだが、ヨーロッパのサッカーチームのように、選手をかなり高く売らない限り、ビジネススキームとしてこの「売り文句」は成り立たない。つまりヨーロッパのサッカー界のような高額の移籍金が発生しないと、儲けにはならない。
FAで広島にお金が返ってきたとしても、数名の契約金額上昇で消える金額ならば、若手育成に定評があったとしても、球団の存続が厳しいのは自然の流れだ。
それにプロのトップチームは勝利することが使命で、若手育成はその手段であって目的ではないはずだ。

広島ほどではないにしろ、横浜、オリックス、ヤクルト、西武などの球団もすぐそこに同様な危機があるはずだ。

紙の上ではこのままだと巨人が優勝し、メディアのバックアップによってそれなりに盛り上がり、問題が浮き彫りにされないままに終わってしまうわけだが、その裏で対戦相手の消滅の危機をそろそろ感じ取らないとまずいかもしれない。