湘南ベルマーレについて考える

GWが終わります。
少し遅れてしまいましたが、5月3日にかねてから行きたかった湘南ベルマーレ戦に行ってきました!
ベルマーレvsセレッソ
悲願の昇格を果たしたチームと、海外への登竜門的クラブとして存在感を高めているチームの対戦。

いざ、Shonan BMWスタジアムへ!

サポーターのテンションも最高!

オレらは歌うのさ〜
湘南のために〜





GWということで、大阪からもたくさんのサポーター!



そして試合はスタジアムDJのセレッソへのリスペクトと派手な選手紹介で幕を開ける!



ここから開始15分くらいまではいいのだが、、、

湘南ベルマーレの戦術はイマイチはっきりしない。

DFを高い位置で並べて相手を押し込みたいのかと思えば、

足の速いDFがいない。ケガの遠藤航がいれば違うのだろうか?

ちなみに肉離れから長期離脱している遠藤航は将来の代表CB候補で見れなかったのはひたすら残念!

【J2 3月度MIP受賞インタビュー】遠藤航選手(湘南):「みんながチームのためにどうしたらいいかをほんとうに理解してやっている。それが結果に繋がっていると思う」(12.05.14)


もっとよくないのが攻撃陣。

プレーが軽い。ボールが収まらない。菊池、梶川、永木あたり。

テクニックはあるのだろうが、活かし方がわからない印象。

決定力のあるFWがいればこの辺りの問題を解消してくれる部分もあるのだろうが、それは日本全国の問題だからここで嘆いても仕方ない。

早くキリノ選手などの復帰を待つしかない。

しかしいずれにせよチームとして速攻がしたいのか、ポゼッションをしたいのかがはっきりしない。

DFのラインを上げる。ボールを奪う。速攻が下手。中途半端なポゼッションサッカーを披露する。ポジショニングが悪い。球を奪われる。奪われた時のポジショニングが悪いからディフェンスに速く切り替えられない。DFのラインの後ろを狙われる。アウトナンバーができる。つまり体力が奪われる。そして数的優位のまま得点される。


まとめるとこんな感じだろうか?

まだまともに1試合しか見ていないので、迂闊に結論を出すつもりはないが、そんな印象であった。

特に速攻がダメだった後のポジショニングの悪さはトレーニングでしっかりできていないのではないか?という印象だ。

下手なことは言えないが、現状ならMFのハン・クギョンの1トップが見たい感じだ。



さて私が湘南ベルマーレを応援したかったのは、チーム戦術をチェックしたかったからではない。
こちらの社長さん、真壁潔氏とチームの地域密着の総合型クラブの理念を少しでも垣間見たいことと、応援したい気持ちがあるからだ。



ここで簡単に湘南ベルマーレのおさらい。

元々はベルマーレ平塚としてJリーグに参加。

中田英寿、ロペス、名良橋、小島、岩本、反町、洪明甫など名選手を揃えた歴史があるものの、

1999年に親会社のフジタが撤退し、存続の危機に。





地元出身議員の河野太郎氏(監査役にも名を連ねている)などの要請で、地元の造園業の社長の真壁氏がクラブ経営に参加することとなる。

そして2002年にNPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブ」を設立し、地域に根ざした総合型クラブとして邁進している。

ベルマーレはここでサッカーの他にソフトボール、サイクリング、ビーチバレー、トライアスロンなどのスポーツにも取り組んでいる。


その努力は観戦していてもとても感じる事ができ、試合の内容はともかく、美味しいカツサンドと共に観戦をとても楽しむことができた。



土地柄なのか、選手紹介や会場や応援のアットホームな雰囲気は素晴らしく、誰でもすぐに溶け込める温かさが湘南にはある。



さて今回の試合はGW真っ盛りにも関わらず、入場者数は10,947人。

正直寂しい数字だ。

湘南BMWスタジアムは牧歌的な古いスタジアムで雰囲気は良かった。

しかしここからがベルマーレの厳しいところ。

まずトラック。これがあるのはサッカー観戦には致命傷なのだが、やはり1万人前後の集客が妥当だとするならば、やはり近いに越した事はない。

ただ、味の素スタジアムなどと比べるとピッチはなぜかかなり近くに感じられた。


次にスタジアム自体の老朽化と構造の問題。

写真を見てもらえばわかるように、メインスタンド反対側の中央部分になんだかオブジェというのかモニュメントというのか、一番おいしい部分に観客席がない。

会場ではスタジアム立て替えの署名運動も行っていたが、財源確保はどうするのだろう?

そして普通ならば立地条件も悪いというふうになるのだが、ここは後ほど書くが、逆転の発想でプラスに転換できると思う。

さてスタジアム話を戻して。

まずはここのスタジアムにネーミングライツが売れただけでも営業努力というか奇跡だろう。

次に平塚の事情として、人口25万人の都市にJの基準を満たすスタジアムがあること自体が奇跡かもしれない。

そして平塚市はどうやらここ数年人口が減っていっているようだ。

隣駅の茅ヶ崎や辻堂にはモールやマンションがバンバン立っているが、ここの開発はあまり聞かない。

さらに厚木や海老名にも大学や開発が集まりだしているため、市として協力するのが厳しい現状のようだ。

クラブはそれを見越して平塚から湘南という冠にしたのかもしれない。

実際にセレッソ戦は「大磯・二宮町デー」とされており、大磯町と二宮町の町民は安く入場できたようだ。

これは地域を広くしていく戦略の表れだろう。

元々ベルマーレの経営規模は約6億円と浦和レッズの50億円強と比較するとかなり小さい。

その上市の協力が得られにくい、人口減など現実は厳しい。

それでもJリーグの「地域密着型総合クラブ」の理念をどこよりも推進している。

応援したいではないか!

ではどうやって湘南の広範囲の人に足を運んでもらえばいいだろうか?

私は現地に行って一つだけ小さな光が見えた気がする。

平塚市は土地柄陸の孤島のような場所が多く存在する。

東海道線平塚駅から広範囲に渡って住宅街が存在するが、地図をみてもらえばわかるが、なにせ周囲が東京23区のように電車網が発達しているわけではない。

そこでスタジアムで驚いたのは、とにかく自転車で来ている人が多い。

やたら多い。

チャリ通観客者は冗談抜きで何千単位ではないだろうか?

平塚総合公園内に駐輪している自転車を一度数えてみるとどれだけの数になるだろう?

こんなスタジアム、日本でも珍しいのではないだろうか?

これは駅から離れている立地条件の悪さの裏返しでもあるのだが、これが平塚市の生活スタイルなのだ。

なにせ自転車通学、自転車移動、自転車を使って遠くに行く事に慣れているのだ。

(もちろん車もバスもありますが)

これを有効活用できないだろうか?

これだけの自転車をベルマーレは宣伝車に使えないだろうか?

イメージはこのような感じだろうか?



人を巻き込むにはとにかく熱を伝えるのが一番効く。

しかし宣伝費がないベルマーレには、とにかく平塚市民にまず熱を伝え、そしてそこからさらに広範囲で移動している自転車ユーザーを利用して熱を伝えてもらうのがいいのではないだろうか?

サイクリングチームもあることだし、自転車メーカーのスポンサーがつくといいかもしれない。

親子ファンとしては電気自転車はありがたいだろうし、遠くに出かけるにはママチャリじゃ物足りない学生やファンも多いだろう。

やたらフラッグがついた自転車が走っていたら誰でも気になるはずだ。

立地条件を逆手に使った宣伝手法はどうだろうか?


でなければ、スポーツビジネスの王道である、「勝利」「収益」「普及」のトリプル効果を地道に続けなければならない。

スクールなどの活動から、ユースチームの強化→トップチームの強化、この流れが現在行っている普及活動と一緒に大きくなったら湘南に追い風が吹くのだろうが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。

湘南ベルマーレの魅力が平塚市への魅力となり、何か大きなムーブメントになることを願って、またスタジアムに足を運ぶこととしよう。

そして自転車につける旗はないけど地道に普及活動をすることとしよう。






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参照記事:平塚をどげんかせんといかん

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