J2昇格争いとリーグ規約

J2の昇格争いが熱くなっている。
サッカーの裾野が広がっていくに従って、J1、J2のレベルが上がり、争いが熾烈になることはファンにとってもリーグにとっても嬉しい限りだ。

ところが、気になるのがJリーグの設けているスタジアム基準。
現規約ではJ1の公式試合では、入場可能数1万5千人以上となっている。
ここで順位のおさらい。
1位 FC東京 勝ち点41
2位 徳島ヴォルティス 勝ち点41
3位 栃木SC 勝ち点41
4位 ジェフユナイテッド千葉 勝ち点39
5位 コンサドーレ札幌 勝ち点37
6位 サガン鳥栖 勝ち点36
7位 ギラヴァンツ北九州 勝ち点35

ここで意外だったのは、上位7チーム中スタジアム基準を満たしているのは5チームもあったこと。
FC東京、ジェフ、コンサドーレはJ1経験があるからともかくとして、ヴォルティスサガンのスタジアムの大きさには正直驚いた。
鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムの収容人数はなんと20,441人!
サガンベストアメニティスタジアムに至っては驚異の24,490人とかなり立派なスタジアムとなっている。
ところが、微妙に基準を満たしていないチームが2チームある。
栃木SCギラヴァンツ北九州だ。
栃木のグリーンスタジアムの収容人数は14,699人とまあ四捨五入すればスタジアム基準を超えるが、問題はギラヴァンツだ。
本拠地の北九州市立本城陸上競技場の収容人数は10,202となっており、明らかに足りない。


さてここで考えたいのは、もし栃木とギラヴァンツがJ2を勝ち抜いた場合にどうなるんだろう?
両チームともスタジアム基準ではNGだが、実力ではOKということになる。
スタジアム基準の本来の目的は、チームの規模とファンの確保にあると思うのだが、スタジアム規模とは関係なく、熱烈ファンが多く毎回超満員だとどうなるのだろうか?
両クラブ共に黒字経営だったら?
この場合リーグは杓子定規にNOというのか、情状酌量の余地があるのか?
ファンとしてはやきもきする状況だろう。


ちなみにギラヴェンツは平均観客数が4000人台前半で、必ずしもリーグ規約を覆すだけの要因があるとは思えない。
市のスタジアムの客席増設工事は5年後になる見通しのようだ。
リーグは2020年に向けて、スタジアムの基準を更に引き上げる見通しだ。
仮にスタジアム基準を満たさないチームばかりが昇格争いに絡んだ場合どうするかなど、Jリーグとして早く対応した方がいいのではないだろうか?
一年間応援し続けたチームが昇格争いを突破した挙げ句、スタジアム基準で引っかかってアウトだった場合には必ず揉めることが予想される。
すっきりとした形でリーグ争いが進むことを願いつつ、魅力的なスタジアムが増えることも願うのは、矛盾していることなのだろうか?
やはりスポーツビジネスは難しい。



関連記事:J 2020年基準 スタジアム増改築
関連記事:スタジアムに必要なもの