ラグビーワールドカップ開催中! ハカについて
ラグビーワールドカップを個人的に少しでも盛り上げるべく、当ブログはラグビーモードにシフト中。
他のスポーツについて書きたいのは山々だが、ここは4年に一度のワールドカップということでグッと我慢。
さて、前にラグビーボールの歴史について書いたエントリーがそこそこ反響があったようなので、今回はハカについて少し。
ボールよりも語り尽くされた感のあるハカだが、簡単にまとめるとNZの先住民マオリ族の部族同士の戦いの前の儀式と言うか、踊りがハカ。
オールブラックスが始めて披露したのは、1906年の英国遠征と言われている。
ハカには、幾つものバージョンがあり、NZの高校の試合においては、各校のオリジナルを試合前に披露するのだそうだ。
最も有名で、オールブラックスが最も多く使ってきたのが "Ka Mate"
2005年にタナ・ウマガ主将により、ハカの歴史をよりよく知るため、そしてチームビルディングのために新しいバージョンを予告なく披露したこともある。
そのバージョンが、"Kapa o Pango"
しかしこのバージョンの踊りが首切りを示唆する等として議論を呼び、NZラグビー協会は歴史の徹底検証をさせられることになる。
元々ハカに対する批判として、「相手を威嚇するものだ」という主旨のものが根強く残っているため、それを刺激してしまったのだろう。
実際は、自分たちを鼓舞するための文化的、歴史的な儀式とする解釈が一番紳士的なものだ。
いずれにせよ、その後オールブラックス主将の交代などもあり、現在は"Ka Mate"に戻っている。
さてそのハカだが、その歴史やパフォーマンスはもちろんだが、相手チームの対処法もおもしろいので、いくつか紹介したい。
まずは、全面対決編。
1989年のテストマッチで、ホームのアイルランドがハカの目の前まで迫ったシーン
同様に1997年のワールドカップでのフランスチーム
個人的に迫ったケースはこちら。
1997年イングランドのコックリルとNZヒューイットがやり合うシーン
次に無視編!
2008年のウェールズ。
ハカが終わった後に微動だにせず、オールブラックスをにらみ続ける。
しかもこれがハンパない長さ。
オールブラックスが動き出すまで最後まで動かないという作戦だったようだ。
そのウェールズ戦直後に行われたイングランド戦では、7万5千人の観客が、イングランドのラグビー文化と結びつきのある Swing Low Swing Chariot を歌い、ハカを無効化しようとした。
これはその前の年のワールドカップでオーストラリアが10万人の観客によるWaltzing Matildaの合唱でハカを無効化することに成功し、番狂わせを起こした試合を参考にしたとされている。
他に動画が見つからなかったが、ワラビーズは何度か完全に無視してウォームアップをしたという歴史があり、伝説のトライゲッター、キャンピージにおいては一人だけ無視してインゴールでボールを蹴りながらウォームアップをしたというエピソードもある。
最後に、やり返すという手法に出たチームもある。
まずはヨーロッパチャンピオンに何度も輝いているクラブチーム、アイルランドのマンスター。
自チームにNZ人が4人いることもあり、なんと先にハカを披露。
同時にハカを繰り出したのはトンガ
ちなみに、ハカを行うのはNZ代表のラグビーチームだけではない。
んんん 何かが足りないような気がするが、それは人数の違いなのか、ユニフォームの違いなのか、なんだろうか。。。
氷の上でも
残念ながらジャパンはオールブラックスに予想通り敗れてしまった。
これは恥ずかしいことでもなんでもなく、オールブラックスの強さの秘密を少しでも知れば、簡単に理解できる。
それはこのハカを通じてもわかることかもしれない。
ハカは、彼らの血であり、魂であり、誇りなのだ。
ワールドカップでのオールブラックスの戦いはまだまだ続く。
改めてハカの魅力をじっくり堪能するのも、大会を楽しむ一つの方法だろう。
みなさんもうんちくを広めるついでに、ラグビーの魅力も是非伝えてください。