プロ野球界参入のススメ〜横浜ベイスターズとNTTグループ〜

今年も横浜ベイスターズに身売り騒動の冷たい風が吹いている。
よその品のあるかないかわからないオーナーにまで口出しされ、売却先がみつからない状態だ。
最近こそ若手の積極起用で勝ち星が少し増えてきたものの、ついこの前まで首位打者争いをしているのかと勘違いされる勝率だっただけに、なかなか買い手が見つからないのも残念ながら頷ける。


そこで今回は情報通信業界の巨艦NTTグループにスポットをあてて、新たなプロ野球チームとしての参入という大胆な仮説をたててみた。
巨艦NTTといえど、そんな簡単にプロ野球球団を持つことができるのだろうか。


新球団創設に必要なものといえば、やはり「人(選手)」、「物(フロント・施設)」、「金(運営資金)」だが、つまるところ問題は最後の金である。
この点、NTTグループの2011年5月に発表された営業利益は約1.2兆円だそうだ。
これは過去にダイエーホークスを200億で買収したソフトバンクグループの同時期営業収益3037億円の4倍近い数字だ。
新たな費用計算を立てずとも、NTT(持株会社)を軸にグループ全体の広告宣伝費の一環としてNTTグループ傘下各社が費用を負担するだけで、一球団ところか複数球団の買収・運営が可能な規模であり、十分すぎる資金力といえよう。


これに加え、NTTグループには既に「人(選手)」も揃っている。
傘下企業の公式野球部としてはNTT東日本野球部とNTT西日本野球部という、社会人野球選手日本選手権大会にも常連の2チームがある。
この2チームを合体させてドラフト&トレードによる補強を施せば、ひょっとするとそれなりのレベルになるかもしれない。
もちろんベイスターズの主力も合わせて考えれば、むしろ現状より戦力アップになるかもしれない。
古くは阪神の真弓監督はじめ、広島カープの誇る名投手佐々岡や現在NHKの解説者である元中日の与田投手、現中日のストッパー岩瀬や巨人の小笠原を輩出しただけに、いい指導者もいることだろう。


施設も特に問題はない。
現在NTT東は千葉県の船橋市に、NTT西は大阪市に本拠地を構え、さらに寮などの施設も別途あるようだ。
こちらも横浜ベイスターズと一緒になるのであれば異例の3軍を作るなり、土地を売るなり、はたまた社会人チームを1チームだけ残すなり色々可能だろう。
もちろんベイスターズの施設を受け継がなくても自前でもなんとかなるかもしれない。


さらにサッカーだが、J1で戦っている大宮アルディージャは設立母体が旧NTTサッカー部である。
現在同球団の運営はNTTグループ傘下企業である、NTTスポーツコミュニティ株式会社が担っている。
同グループには球団運営のノウハウという知恵と経験もあるといえよう。


以上簡単にNTTグループの可能性を見てきたが、ほとんどの条件をクリアできる可能性が高いと言えるだろう。
光TVのコンテンツとしては申し分ないかもしれない。
しかし世論の反発(「球団経営するぐらいなら電話代もっと安くしろ!」)や経営幹部の反対(残念ながら日本のほとんどの大企業おえらいさんは野球のオーナーになろうなんて夢は理解できないかもしれない)等も予想されるため、容易とはいわないが、NTT経営陣や国民の想像以上に障壁は少なく、検討の余地が大いにあることが伺える。



日本経済の見通しが暗い中、業績が悪いので手持ちのチームを解体というリストラ機運のみが高まるようでは、スポーツ界はままならない。
昔ながらの企業にも規模の大小に関わらず、企業の社会的責任実現の一環として真剣に球団運営等に参画し、日本球界・日本スポーツ界の発展につなげてもらう姿勢が求められている。
TBSにはその気概がなかったのだろう。
しかし一方で、経営をしっかり行えば、なにかしらのリターンもあることだろう。
さてTBSは熱意と経験のある売却先を見つけることができるのだろうか!?
ファンの心配は続く。


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