DeNAにラグビーのススメ

横浜ベイスターズの買収に名乗りを上げているDeNAだが、まだまだ前途多難のようだ。
まずは楽天を筆頭にしたパリーグの数球団が反対していること。
こちらは同じIT企業である楽天がおもしろく思っていない匂いがプンプンしてくるが、いずれにせよ出会い系サイトなどの点は、NPBの方でクリアにする審査か何かがあることだろう。
いや、なければおかしい。
奇異なのが、品がなければダメだといいながらろくに社名も知らなかったナベツネが、最近公取に注意を受けている企業のことをあっさり容認するかのような発言をしだしたことだ。
ナベツネが吠えれば審査のプロセスなく球団を持てるのだろうか?

次の問題は、株価が下がっていることだろう。
DeNAのドル箱モバゲータウンSNS的要素は含まれているものの、基本的にはゲームやアバターなどのデジタルコンテンツで遊ぶ側面が強く、2次元的な強みを発揮しているものだ。
実名で交流したり、3次元のサービスが全面に出ているものではない。
確かにデジタルコンテンツを活用した楽しいキャンペーンはいくつもできるだろう。
それによる新しいファン層の新規開拓も期待しところだが、心配なことはいくつかある。
一つ目はやはりプロ野球のファン層とモバゲーのファンそうだろう。
プロ野球のファン層は明らかな高齢化現象の傾向が見られる。
それに比べ、モバゲータウンも世間のイメージよりも幅広い年齢層に支持されているものの、基本的にはより若い世代に支えられている。
このミスマッチはどのように解消するのか?
モバゲーが中高年を取り込みたい意図はわかるものの、どこまで現実的なのだろう?
DeNAの他の中高年向けサービスがあって、そっちを伸ばす意図であればまだ納得できる。
しかし今のところその青写真が見えてこない。
楽天と比較してみるとわかりやすいかもしれない。
モバゲーのサービスなどと比べてオンラインショッピングを提供している楽天の方が支持されている年齢層は幅広い。
そのために認知度を上げる役割として球団を持ち、その点では絶大の効果を発揮した。
モバゲーはこれ以上認知度を高める必要はあるのだろうか?
それに実質ゲームサービスが一チームを持つことは、利益相反することもある。
モバゲーからプロ野球のゲームが出た場合、ベイスターズを公平に扱うことはできるのだろうか?
とは言うものの、こちらは読売新聞社が巨人を所有している時点で既に意味のない議論なのかもしれないが...
株価の下がる理由もわからないでもない。


それより私はDeNAラグビーを支持してもらいたい。2019年に向けてラグビー日本代表は強化が急務である。
あくまで空想の話だが、その施策としてこういう展開はいかがだろうか?
トップリーグの優勝チームが毎年2月から5月に行われる南半球のトップリーグ、SUPER15に参戦する。
つまりサントリートップリーグで優勝したとする。
するとシーズン終了直後、日本ラグビー協会の代表としてSUPER15に参戦するのである。
サッカーで言うとチャンピオンズリーグにクラブチームが出るのと似ている。
しかしサッカー協会のように潤沢な資金がないラグビーから参戦するにはスポンサーが必要になることは明らかだ。
そこで、DeNAの出番である。
SUPER15は現在NZ, 豪州、南アの3カ国のチームで構成されており、近くアルゼンチンからも1チーム加わる。
DeNAは国内でかなり限界点まで広がりをみせている現状があり、次のターゲットは国外になるはずだ。
それぞれ人口で見る限りビッグマーケットではないものの、いきなり中国やインド、アメリカのビッグマーケットを攻略してやけどするよりは、海外進出のいいきっかけを作りやすいマーケットかもしれない。
それに男性よりのファンが多いラグビーという競技の性質上、ゲーム好きのターゲットとも相性がいいかもしれない。
さらにラグビー活性化の貢献度は高いなんてモノでは済まされない。
オールブラックスワラビーズに名を連ねるトップ選手との競演を見れたらそれはもうたまったものではない。
ラグビー人気も日本開催ワールドカップに向けて高まるだろう。
そして日本のラグビーファンは一気にDeNAファンになることは間違いないだろう。


さてもう一つDeNAにはラグビーのような他競技をむしろスポンサーしてもらいたい理由は、買収のライバルの存在である。
横浜を地場とする京急グループの存在である。
京急電鉄で同じみの京急グループは明らかな地域密着企業であり、横浜のことを熟知している。
お客さんも地元のお客さんだろうし、何しろ電鉄というビジネス性質上、株価で言えば長期保有株なのかもしれない。
いきな売り逃げすることもないだろうし、地元の活性化という目的があるとしたら、それはDeNAよりも強いものだろう。
TBSにとっての買収額という意味ではDeNAよりも低いかもしれないが、地域貢献という意味ではこちらの方が上だろう。


以上現実的かどうかはともかくとして、DeNAへの勝手な想いを書き綴ってきたが、一方でベイスターズの売却がどこかの企業にスムーズに行われないことも心配である。
心機一転スタートしない限り、今のところ改善の兆しはあまり見られない。
球団消滅なんて事態が起きた日には...
ということで好き勝手いっている場合でもないかもしれない。
いずれにせよ、企業の論理とスポーツの活性化による幸せの享受のいいマッチングはないものだろうか?
なかなか難しい問題だ。
もはやDeNA買収が一番現実味を帯びてきたが、球団と横浜にとってベストな選択がされることを願おう。




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