名誉会長の転職

ラグビー日本選手権の決勝は、サントリーの快勝で幕を閉じた。
トップリーグと合わせて2冠を達成し、日本代表監督に就任するエディー・ジョーンズ氏を最高の形で送り出した。
日本のラグビー界は世界的にも申し分ない実績のコーチを初めて手に入れ、これから世界との差を縮めるべくスタートを切ることになる。
しかし、優秀なヘッドコーチだけでは世界に勝てる時代ではないことは、ファンならずとも百も招致だろう。


そこで、オーストラリアラグビー協会のCEO、ジョン・オニールの名前を知っている人は日本にどれだけいるだろう?
ひょっとするとラグビーではなく、目の肥えたサッカーファンならば、彼の名を耳にしたことがあるかもしれない。
オーストラリアサッカー協会を立て直し、プロリーグAリーグの革新を担い、悲願のワールドカップ出場へ向けて選ばれたのは、この優秀なCEOだった。
そう、そして彼はあのフース・ヒディングを招聘した男。
2004年の彼の就任を経て、オーストラリアはワールドカップ出場も果たし、発足したばかりのプロリーグもそれなりの成功を収めた。
ドイツワールドカップで日本を破ったオーストラリアの勝利の裏側には、優秀なフロントスタッフがいたのだ。


It's Only A Game

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実はオニールはサッカー協会CEOの前は、同国ラグビー協会のCEOを務めている。
元々はやり手の銀行員。
その後オーストラリアラグビー協会のCEOに就任し、協会の財務・競技・普及・育成・ファンベース・ステータスの全てを任期中に劇的にレベルアップさせた。
そしてNZとの共催が濃厚だった2003年のワールドカップの単独開催をもぎとり、見事大会も大成功に導いた人物である。
ラグビーとの結びつきは地元クラブでのプレーがきっかけ。
サッカー協会を2004年から2006年の11月まで率いた後、再びラグビー協会のトップとして戻ってきている。
もちろんタフネゴシエイター!

IRBのワールドカップ利益分配について物申すオニール氏



知らない人も多いかもしれないがラグビーもサッカーもオーストラリアでは国技ではない。
オージーフットクリケット、マリンスポーツ、ラグビーリーグといったようにオーストラリアはスポーツ大国である。
ラグビーもサッカーも上記スポーツより人気の面では押されている格好だ。
他にもテニス、ランニング、水泳、バスケ、スポーツ大国オーストラリアで集客をするのは容易ではない。


そこで話を日本に戻して、2019年の自国ワールドカップ開催でラグビーが盛り上がっていなければならない。
あいにくの雨とはいえ、今日の国立競技場の観客数はお世辞にも盛り上がっている姿を表してはいない。
日本のラグビー界にも優秀なCEOは必要なのではないだろうか?


そこで川淵三郎日本サッカー協会名誉会長。
1936年生まれ、選手として日本代表を経験しJリーグチェアマンやキャプテンなどを経て現職。
日本にサッカーを根付かせたキーパーソンとして有名である。
年齢的にもタイムリミットは過ぎているかもしれないが、彼の次のチャレンジはなんであろうか?
本人はおそらく嫌がると思うが、私はジョン・オニールと同じ道をたどって欲しい。
違う競技のCEOに就任して欲しい。
そしてバリバリ働いて最後に違う競技で花見を飾って欲しい。



川淵様、
最後のご奉公はサッカーの壁を越えて、違うスポーツで我々に夢を与えてください。
転職してください!


名誉会長が厳しい場合は是非こちらの教授にお願いしたい!
優秀な指導者を活かす協会スタッフが伴って初めて日本ラグビー再生への道が切り開かれるでしょう。



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