書評49:中京女子大学女子レスリング王国その強さの秘密



オリンピックでも活躍したことで、一躍注目を浴びるようになった女子レスリング。
競技人口が少ないことで、オリンピックの時だけ、4年に1回だけ騒がれて消えてしまうのではないかと危惧をしていたが、なんとか定着しそうな様子である。
吉田沙保里は人気があるしCMでも登場する。




浜口親子もちょくちょくマスコミに取り上げられている。
今年の全日本選手権も夜中とは言え、テレビで放映される。
25時58分〜26時58分(24日午前1時58分〜2時58分) 日本テレビ(関東のみ)
道はまだ険しいだろうけれど、この流れが続くと、競技として日本でもちゃんと定着しそうなことは、とにもかくもめでたい。


そんな女子レスリングで、トップを走るアスリートの大多数は、中京女子大学女子レスリング部(現:至学館大学)の出身である。
メダリストでいえば、浜口京子を除いたほとんどの選手、吉田沙保里伊調馨、坂本姉妹と皆ここの出身である。
そして中京女子の監督が、栄和人である。そう、オリンピックで吉田選手を肩車していたあの人。


この本は、栄監督の人生、そして中京女子大学女子レスリング部の歩みを主に取り上げている。
そして、その発展に関わった多くのスタッフと選手を一人一人取り上げて紹介している。
よってタイトルにある「王国の強さの秘密」という部分にひたすら言及した内容(方法論、指導論)を期待している人にとっては、少し拍子抜けしてしまうかもしれない。
しかし、最終的には栄監督の情熱と携わった多くの「人」こそが、「王国の強さの秘密」であることが読み終われば理解できるだろう。
中京女子大学(現:至学館)出身の選手かどうかを確認しながら全日本選手権とオリンピックに注目するのもおもしろいかもしれない。


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