3pt シュート誕生から25年

3ptシュートの誕生から今年で25年になるそうだ。
アメリカ大学バスケット界が導入したのが1986ー87年のシーズンから。
25年しか経っていないことを意外にも感じるファンも多いだろう。


アメリカの人気スポーツ誌スポーツ・イラストレイテッド(ナンバーが誕生の際に参考した雑誌)が、その歴史を紹介しているので、感想を交えながら紹介してみたいと思う。


NCAAのルールコミッティーの責任者、Ed Steitz氏が導入を決めた時、快く受け入れられた訳ではなかった。
「サーカス・ショットだ」 (サーカスで見られるようなトリックショットの意味)
名物解説者で有名なディック・ヴァイテル氏は「茶番だ」と発言。
そしてコーチ陣の65%が反対したようだ。


ところが専門家の見通しは間違っていた事が歴史は教える。
今では3ptによって数々の忘れられないドラマが生まれ、過去に3ptシュートを積極的に導入する事で一躍有名になった現ルイビル大学のリック・ピティーノコーチ曰く、
「3ptシュートがコートのスペースを広げることによって、あれだけのダンクが生まれ、バックドアカットが生まれるんだ」
と、その効果を強調する。


ティーノを有名にしたのは、当時無名に近いプロビディンス大学を全米大学選手権でファイナル4に導いた時である。
3ptが導入されたシーズンに、有名選手もいなく、期待値も低かったピティーノのチームは、オールコートプレスと積極的な3ptシュートの導入であれよあれよという間に勝ち進んでいった。
その時のエースシューターが、現フロリダ大学ヘッドコーチビリー・ドナバン。



ティーノ曰く、「平均的なチームだったから、何かきっかけ、奇襲を探していたんだ」とのこと。
その作戦は意外なところからもたらされることになる。
プレシーズンで対戦したロシア代表だ。
当時のソ連代表と練習試合をしたピティーノは、28本もの3ptシュートを放った相手から衝撃を受ける。
冷戦の相手で最大のライバル国からの思わぬプレゼントだったとは運命のいたずらかもしれない。


そしてさらにこの年の全米大学選手権の優勝校はインディアナ大学であるが、ここのコーチは有名なボブ・ナイト。
古典的な価値観で強面で有名なこの指導者に優勝をもたらしたのは、これまたエースシューターのスティーブ・オーフォード。
現ニュー・メキシコ大学ヘッドコーチ。
決勝では7本の3ptを沈めているほか、チームはこの年なんと50.8%の確率で3ptシュートを決めている。
その後5割以上の確率で成功をしているチームは1チームもない。




こうして多くの懸念と共にスタートした3ptシュートは、一年目から最高のインパクトとスタートを切ることに成功した。
The Rest is History
もうそこからは、語る必要もないだろう。
3ptシュートはその後しっかりとバスケの重要な一部として定着する。


最後にいくつか金字塔を紹介したい。

ブルズの活躍でも有名なスティーブ・カー選手。
NCAA史上最も高い確率で3ptを決めた。
87-88年シーズンに決めた、その確率は驚異の57.3%




JJレディック
現在オーランドマジックで活躍するこのシューターは、大学で最も多くの3ptを沈めた記録保持者。
4年間の公式戦でその数457



そしてNCAAの今年のベストシューターはこの人



そして注目のもう一人は、このサラブレッド
ゴールデン・ステートウォーリアーズのステファン・カリーを兄に持つセス・カリー。
父はNBAでもシューターとして活躍したデル・カリー



まだ25年しか歴史のない3ptシュート。
現在ウィンターカップが行われているが、この歴史を知る選手と指導者はどれだけいるだろうか???


ポッドキャスト:スポマン JAPAN!

毎回素敵なゲストを迎え、様々なトピックを独自の視点で楽しく、熱く、テンポよく語るスポーツトーク番組。

http://itunes.apple.com/jp/podcast//id475113078

Facebookページも始めました!

いいね!してみてください!

http://www.facebook.com/spomanjapan


関連記事:Jimmer Fredette 日本人が目指すべきプレイヤー、彼が目指すべきプレイヤー
関連記事:Dirk Nowitzki(ダーク・ノビツキー)の育て方
関連記事:男子バスケ発展の阻害要因
関連記事:田臥勇太