カズと読むNBAの潮流: 批判されて強くなる

カズの本を読みながらNBAの現在を考えるシリーズ、昨日のファイナル最終戦を受けて今日は最終章。
まずはダラス・マーベリックス優勝おめでとう!
NBA史上最優秀外国人選手かもしれないダーク・ノビツキー選手が牽引し、ベテランと若手が融合したチームは確かに強かった。

しかし、今日の焦点はレブロン・ジェームズにあてたい。

誰だってたたかれるのは嫌だ。
でも批判を受けたかいないかで、逆境のときに乗り越える強さが変わってくる。
選手はミスを指摘されて「もうしない」と改めて意識する。
批判から学べるのか。
悔しさを思い知り、もまれた選手は強い。

経験から言えば、いいことしか言われない時期は「まだまだ」なんです。
悪いことも言われて初めて一流に近づく。
それを越えてこそ超一流じゃないかな。

それを乗り越えたときは、二回りほどレベルが上がっていた。
ある段階で、批判も褒められることもすべて背負えるようになる。

今のレブロン・ジェームズにこれ以上の言葉はないだろう。
今までは負けてもチームメートの実力の至らなさを言い訳できた。
批判も少なかった。
孤軍奮闘を讃えられることばかり続いた状況は、The Decisionで状況がかわり、派手な入団会見からより一層迷走し始める。
往年のスターたちにも、俺ならこの選択をしなかったと言われる始末。
これほど批判されるとは夢にも思っていなかっただろう。
彼は優勝することでこれらの批判を全て覆すつもりだっただろう。
そしてまさかノビツキー率いるマブスに行く末を阻まれるとは思ってもいなかっただろう。
スパーズに一度ファイナルでスイープされ、ボストンに何度も苦汁を飲み、そして満を持して望んだ今年のファイナル。
もうこれ以上の悔しさと試練はないだろう。

過剰な演出、試合途中の過剰なはしゃぎやいらない挑発などやめて、優勝に専念して二回りほどレベルを上げるためには、雑音を少なくすることも必要かもしれない。

賞賛も批判も背負って再び彼がファイナルに戻って来れるのか?そしてそれらを背負ってクランチタイムで活躍できるのか?
来年の今頃もう一度カズの言葉を振り返ってみたい。

やめないよ (新潮新書)

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ファイナルでのプレー

第6戦終了後のインタビュー


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