若手の海外移籍

サッカーU22代表の水野選手のスコットランドリーグ、セルティックへの移籍が決定したようだ。
これはこれでめでたい話なのだが、労働ビザがおりたことがかなりの驚きだったようだ。
イギリスは外国人労働者への受け入れ審査が厳しいとはどこかで聞いたことがある。
その仕事内容がなぜイギリス人ではなく、外国人でないといけないかを企業が説明する必要があるそうだ。
ビザや労働問題に詳しいわけではないのだが、とにかくサッカーではその選手がフル代表である一定の活躍をしていない限り認められないようだ。
以前三都主がこれに引っ掛かって移籍を断念している。

じゃー若手ばっかり取るアーセナルはどうなっているんだ?という話で、確かにアーセナルはフル代表になる前の若手を獲得し、クラブで一流に羽ばたかせている。
ということで、やはりクラブの政治力によってかなり左右されるようだ。

さて、有望な若手が早い段階から外国クラブへ行くことがいいかどうか?これを少し考えてみたい。
水野の例にならって有望な若手が一斉に外国へ行き、そこで活躍することができれば、フル代表が強くなっていくだろう。
フル代表が強いと日本でのサッカー熱も盛り上がり、サッカーがどんどん普及していくだろう。

日本では世界と比較して、トップレベルで活躍している選手の年齢が高い。これはサッカーでもラグビーでもバスケでも言える。
体の発育が少し遅い気もするが、10代後半、20代前半でフル代表でレギュラー定着している人数が相対的に強豪国と比較して少ない。
その点では今回の移籍は喜ばれるべき話だ。

逆にプロ野球が直面している問題と同じで、Jリーグはどうなるだろうか?サッカーのように若い年代が活躍できるスポーツだと、Jリーグを経ることなく海外へ行く選手が増加するケースも考えうる。
ハゲタカなんて言葉が一時盛んに使われたが、海外クラブに日本の若手が搾取される可能性もなきにしもあらず。
空洞化がとにかく怖い。

そうなった場合に、高校生や高校卒業間もない選手のケアをできる人の絶対数は足りているのだろうか?
代理人の絶対数や契約交渉など色々な問題に対応・サポートできる人間は足りているのか?
一方で世界で活躍する選手が増えれば増えるほどフル代表が強くなり、そこからお金が生まれていくので、ビジネスとしての市場は広がっていくわけだから、関わる人間や制度も進化していくことだろうから、鶏か卵かということになってしまうが、この流れが今後加速することが予想されるが、対応も加速していくことを期待しよう。



ところで、岡田監督とオシム元監督が面会したそうだ。引き継ぎが今後もきっちりできれば、これはプロの世界ではかなり前代未聞な出来事で、知の継承が今後も続くことを祈ろう。