自分の足で歩こう

5月8日の日経新聞に掲載されたゴルフの水巻善典プロのコラムが興味深い。
石川遼に対し

心のタフさを身につけるためにも独り立ちをする時期にきていると思う。
彼はチームをつくり、何人も一緒に転戦している。
しかしコースに立てば、自らをたのむしかない。
ゴルフは最終的に人間力の勝負。
関係者に庇護され「お客さん」状態で行ってもツアーで勝てない。



有名選手になる取り巻きないしはサポートが増えるのは世界中どこでも似ているようだ。
アメリカの著名なスポーツカメラマン、Walter Ioos Jr. 氏がレブロン・ジェームズをナイキのCM撮影する際、車6、7台分の取り巻きが登場したそうだ。
ボディーガード、マッサージ師、DJ、1時間の撮影にまるで大統領の登場かのような取り巻きで登場したスター選手に、カメラマンは直接語りかけることも許されず、撮影は終わったそうだ。
今年も自身3度目となるMVPを受賞したレブロン、彼の勝負所での人間力の弱さは周知の通り。
昨年のファイナルの肝心要の終盤でシュートをしたがらないわ精彩を欠いた。
しかもこれは毎年の恒例行事となり始めている。
そもそも自分で責任をとるのがいやかのごとく、勝負魂の固まりの兄貴分ドゥエーン・ウェイド選手と組むためにマイアミに行ったという見方もある。
最終的に自らをたのむしかない場面で決してうまくいっていない。
それが現状のレブロン・ジェームズだ。



もっと極端な例を挙げて見よう。
5月13日の日テレ14:00からの特番の見出し。

山下智久マネージャーなし完全自力アメリカ横断一人旅に挑戦!


この人27歳である。。。
マネージャーなしでも旅行くらいできるでしょう。。。
日本の芸能界では、スターの自立というものはないのだろうか?と疑ってしまう。


NBAではNY出身のポイントガードが多かったことがある。
マーク・ジャクソン、ケニー・アンダーソン、ケニー・スミス、パール・ワシントン
その理由を聞かれたケニー・スミスはこう答えている。
当時の治安の悪いNYCで育つためには生きて行くだけで多くの判断を迫られる。
どうやったら麻薬を避けられるか?
ギャングはこないか?
道を渡っても平気か?
ポイントガードはコート上で多くの判断を迫られる。
NYC出身のポイントガードは日常生活から訓練されているんだ。


最新のサッカー批評のインタビューにて元ガンバ西野監督に至っては言い切っている。

サッカーは判断のスポーツだから


これはバスケットボールにも同じことが言える。
その判断に責任を持つ自信があるか否か?


ちなみにマーク・ジャクソン曰く、日々プレイグラウンドで競い合う中で鍛えられて行くとも述べている。
そしてここ10年くらいNYC出身のPGが出てこないことも嘆いている。
NYCの治安が良くなったことと関係はあるのだろうか???



ちなみにケニー・スミスのポイントガード解説はこちら!



さて、日本のスポーツ界に属していると、自立せずに生きて行ける。
寮に入れば3食の食事が用意され、自分でやるのは洗濯ぐらい。
後は練習会場、試合会場との行き来のみ。
外国人選手の多くは自分でホテルや飛行機の予約をし、練習相手や練習会場を自分で探す。
何でもマネージャーにおんぶに抱っこではない。
でも海外で活躍している選手を思い返してみよう。
きちんと自立している人間が活躍しているといえないだろうか?
サッカー日本代表の長谷部選手などいい例かもしれない。
取り巻きを連れて中途半端に腰掛けで海外に挑戦している選手で成功した事例は聞いたことがない。
自分で判断して、自分の足で歩こう。
そうすることで己を信じる力を得られる。
それが自信につながる。
そしてそれが勝負の分かれ目かもしれない。
今年のNBAファイナルでは、自立したレブロン・ジェームズがコートに立っているだろうか?
それとも???


関連記事:カズと読むNBAの潮流: 批判されて強くなる