スポーツが救えること

たまたまTwitterで知ったことだが、東京マラソンの出場者の数と日本の年間自殺者の数がほぼ同じらしい。

一方で日経の2月15日の「フットボールの熱源」によると、海外では自国の代表が出場しているワールドカップやユーロでは期間中に限って、自殺者が著しく減少する傾向があるようだ。
詳細はこの本に↓

「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理

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また、自国でワールドカップやユーロが行われると国民の幸福感が高まることも40年分の調査で確認されているようだ。
スポーツには助命効果や幸福感をもたらす効果があることが浮かび上がってくる。


さて話はまた日本に戻って東京マラソンでの話。
大宮アルディージャーのアンバサダー、塚本泰史氏が今回の東京マラソンを6時間30分30秒で完走した。
塚本氏は元々は大宮アルディージャディフェンダーで、2年前に右大腿(だいたい)骨骨肉腫の手術を受けている。
つまり骨のガンである。




その後人工関節への置換手術を受けており、今回の完走はほとんど奇跡と言っても過言ではない。
医者からはほぼ止められ、周りからも無理だという声がある中、多くの人に支えられて、そして多くの人に勇気を与えるために彼は走った。
そして手術を受けた病院、有明癌病院は東京マラソンのゴール700m手前。
沿道には何度もサポーターが登場し、塚本コールで応援していた。

彼のブログを是非読んでもらいたい

塚本泰史 
http://ameblo.jp/taishi-tsukamoto/entry-11176394693.html


そしてメッセージも忘れずに


規模は大きくても小さくてもスポーツには、人に幸せをもたらす力があるようだ。
塚本氏の走りを観て、どれだけの人が勇気をもらっただろう?
どれだけの癌患者が前向きになれただろう?
東京マラソンというイベントは、彼の走りだけでなく多くの感動と笑顔をもたらしたことだろう。


そんな東京という都市は、2020年のオリンピック開催に向けて立候補している。
しかし、この運動がちっとも盛り上がらない理由も塚本氏の走りを見て垣間見えた気がする。
どうしてもインフラ整備的な話しか前に出てこないこの招致活動には、東京マラソンが示したスポーツ本来の力が欠如している。
それは人を元気にしたり、前向きにしたり、活気づけたり、笑顔をもたらす効果が見えてこないことである。
スポーツ本来の力と喜びはそこにあり、インフラや施設はあくまで手段である。
多くの人に支えられ、何かを成し遂げて行くところにスポーツの共感があり、その志を失った政治家やお偉いさんの活動にはその魂が失われているのかもしれない。
スポーツには救う力がある。
東京オリンピック招致もその心意気を取り戻すことを期待したい。
そうすることで日本の幸福感も増えるだろう。
そして塚本氏に一日でも早くピッチに戻れることを願いたい。


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