渡辺恒雄とジャイアンツファン

清武の乱ですっかり巨人の話題が独占されている。
日本シリーズのど真ん中で勃発した騒動はおそらく清武氏の考えたほど盛り上がってはいない。
それはなぜだろう?
そこにジャイアンツファンの渡辺恒雄に対する複雑な心境があるのではないだろうか?


11月25日の朝日新聞に、池上彰がおもしろい記事を書いている。
「清武氏解任 新聞社が関わると・・・?」
内容は、清武の乱を朝日、読売、毎日、日経でどのように描かれている比較しているのだ。
簡単にまとめると、
毎日は解任前の清武氏インタビューを含め、社会面で大きく報道。
朝日は作家の江上剛さんと評論家の大宅映子さんのコメントを掲載し、読売新聞グループに対して批判的な内容。
日経はスポーツ面で小さく扱うに止まり、指揮者コメントもないとのこと。
そして当事者の読売新聞といえば、1面下に巨人軍の発表。
スポーツ面では原監督の愛される球団への決意等のコメント紹介。
そして社会面では桃井社長の記者会見内容。
清武氏の発言はわずか数行。


新聞社の立場の違いやライバル関係など色々読み取れる傾向ではあるが、日経の扱いの少なさが出るほど、この問題はプロ野球ストライキの時などと比べてマスコミ内で白黒付けがたいようだ。
つまり世論を形成しにくいようだ。


本来なら渡辺恒雄は野球界にプラスをもたらしていない人物であるから、これを機に一気に追い出す機運が盛り上がってもおかしくないはずだ。
しかし、それは巨人以外のファンに取っての話かもしれない。
なぜなら私が思うには、ジャイアンツファンにとっては、渡辺恒雄の評価ははっきりしないのだ。
「必要悪」なのだ。
選手へのリスペクトのなさは嫌かもしれない。
傲慢な態度も嫌かもしれない。
しかしこの我が儘な男は、プロ野球に関しては、巨人中心という意味でとことん我が儘なのだ。
巨人の利益しか考えていない。
だから巨人ファンに取っては、好都合なのだ。
逆指名というふざけた制度、誰がみてもおかしいが、ジャイアンツファンからするとありがたい制度なのだ。
栄養費、裏金?
これもジャイアンツがいい選手を取るためならちょっとお休みしててもらえれば、すぐ渡辺恒雄さんには復帰してもらって構わないのだ。
1リーグ制?
これもジャイアンツにはあまり関係ないのだ。
TBSに横浜株を大量に買わせる?
コミッシュナー気取りでDeNA問題の広報役を務める?
これも読売より大きな資本力がある会社が出てこなければ問題ないのだ。


清武の乱が盛り上がらないのはこういうことだろう。
一つはジャイアンツファンは渡辺恒雄を必ずしも追い出したくないのだ。
そして以前にもtwitterで書いたが、清武は普段からファンとの交流をしてこなかった。
何度もいうが、今からでもいいので、オールドメディアに頼らないので、ソーシャルメディアを活用して欲しい。
そしてマスコミには勇気を持って真実を追究して欲しい。
残念ながら巨人ファンからは渡辺恒雄を追い出すムーブメントは生まれないのだから。



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