靴職人専属契約

アディダス社が、元アシックスの伝説の靴職人、

金メダルシューズのつくり方

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三村仁司(61)と専属契約を結んだそうだ。
三村さんはオリンピックの度にマスコミに注目されるマラソン選手にとっては神様のような存在。
ミズノには
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バットやグローブの職人がいて彼らも年末の特番などでよく注目されるが、こちらはシューズの職人。

三村さんの存在はスポーツ界では有名で、彼にシューズを作ってもらうことは一種のステータスとなっている。
イチローしかり、高橋尚子野口みずき等その数は多い。
他社スポンサーから大金をもらっているのにも関わらず、それを捨ててまでアシックスにシューズ契約を変更する選手も多くいた。

ところが彼はアシックスを定年退職して、独自ブランドを立てていたそうだ。
そこへ今回アディダスが囲い込みに成功したという訳だろう。

思うことは色々ある。
まずこの記事がスポーツ面で語られるだけでいいのだろうか?

ランニングシューズはスポーツ界の中でも断トツの稼ぎ頭で、アシックスはこの分野では世界的に有名である。
ヨーロッパやアメリカに行っても、ランニングシューズコーナーには普通にナイキやアディダスのシューズと一緒に陳列されている。
ミズノなどの場合は、成長しているものの、まだ苦戦しているといえる。

そのビッグビジネスのキーパーソンが三村氏だった訳だが、そのノウハウが外資系に移るということである。
経済ネタとして取り扱ってもいいニュースだと思うが、残念ながらそれが順当にスポーツ面に掲載されるということは、まだまだスポーツがこの国においてステータスが、そして市場規模が未熟である証拠だろう。
まだニュースとして取り上げた朝日新聞を褒めるべきなのかもしれない。


次に三村氏の外資との契約が日本のスポーツ界にとっていいことなのか、悪いことなのか判断がつきにくい。
さすがに77歳の元財務大臣は体調を崩してしまったが、三村氏はまだ61歳。まだ働き盛りであろう。
アシックス社は何か才能を伸ばしきれなかったのだろうかという疑念が拭えない。
そして彼のノウハウは受け継がれているのだろうか?心配である。

日本の至宝が外資に奪われるようなセンチメンタルな想いもある一方で、彼にはこれから大きく世界に羽ばたいてもらいたい。
日本の選手よりも、メッシやベッカム、オール・ブラックスやドワイト・ハワードなどのアディダス契約選手のシューズを手掛けて世界に日本をアピールしてもらいたい。
そしてアディダス・ジャパンにも是非その気概を持ってもらいたい。


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