大学スポーツとマーケティング

年末年始のスポーツ面で大きく取り上げられた大学として、東洋大学東海大学帝京大学などが挙げられる。
いつも思うことは、大学側のマーケティング面での拙さ。
フルタイムの監督を置く、選手を集めまくる、試合に勝つ、マスコミに露出される、以上。

少子化の時代である。これからの入学競争は厳しい。
インターネットのおかげで、自分たちからより詳細な情報を発信できる時代である。
そして双方向のコミュニケーションまで可能な時代だ。

なのに、大学が発信している情報が少なすぎる。

部活の監督の指導方針は?
怪我をしたらサポート体制はあるのか?
授業は?ゼミは?
大学側はどのように部活動をサポートしているのか?
OB会任せではないのか?
部活創立何周年の記念周年の時だけ強化していないのか?
部活のOBの就職状況は?社会で活躍しているか?
実際に選手として活躍しなくてもその後の人生困っていないか?留年生を多く出していないか?

これほどでもないが、情報を少しずつ発信している大学もある。

帝京大学ラグビー部は、ヤフーオフィシャルチャンネル内の母校のチャンネルで少しずつだが、情報を発信している。
これは多少マニアックな例かもしれないが、今の世の中、オフィシャルサイトはもちろん、ブログでもいいし、Twitterでもいいし、MixiでもGreeでも簡単に情報を発信できる。
なにもしていないよりかは、はるかにいい。


おそらく各部活情報を発信したくても、誰がしていいのかわからないのだろうし、どうやったらいいのかもわからないのだろう。
人手も足りないのだろう。
でもそこは大学の特性を活かして大学側に率先して導いてほしい。
部活に所属していなくとも、スポーツジャーナリズムを目指している学生がいるだろう。
マスコミ論やメディア論を指導している教授はいるだろう。
写真部の学生に写真を撮らせるもよし。
そういった人たちからレポートさせる手段もあるはずだ。

情報が発信されることで好循環が生まれてくるはずだ。
これから受験する高校生はより確かな目標が持てると共に、より確かな選択ができる。
在学生も自分たちの大学に誇りを持てるだろうし、きっと応援にも行きたくなるだろう。
そうすることで多少はスポーツを観るという習慣も生まれてくる。

日本ラグビー協会の専務理事はあろうことか東海大学vs帝京大学の大学選手権決勝の集客の心配を公然と発表した。むしろ彼はこの両校の決勝をチャンスとみるべきだ。なぜなら新しいパイのOBが大挙ラグビーを観に来る可能性があるからだ。両校のOBには、ぜひこの専務理事を見返してもらいたい。

話は少しそれたが、大学側には試合に勝って露出が増えることがマーケティングの終着点でないことに気づいてもらいたい。
そこで満足するのは部活のOBと部活の関係者の領域でしょう。
大学本体がそこから一歩抜け出して、今の時代の、インターネットの特性を活かして大いに情報を発信してもらいたい。
そうすることでスポーツ界にもいい流れができるのではないだろうか?