レーザーレーサー

やっと収束した水着問題。正直なんでこんなに盛り上がってしまったのかが疑問。私の結論としては、選手と水着メーカー、水着メーカーと水連の契約内容がとても曖昧でおろそかだったとみている。

それぞれきちんとした契約を結んでいれば、下記の点について言及されているはずだ。
・他者メーカーの水着を着る際の条件及びペナルティー

そこには、

  • 他社メーカーの水着が技術的に優れている場合の条項 (技術的に劣る場合は全面降伏、ただしロゴだけ隠してもらうとか...)
  • やむを得ず他社メーカーを着用する場合の条件 (ロゴを隠せ、商品の良さをアピールするな、プロモーション活動するな、などの内容が含まれているはず)
  • 上記どれも該当せず、それでも他社メーカーを試合にて着用した際のペナルティー (罰金なのか、契約金カットなのか、支給品を減らすのか、契約破棄なのか、などなど)

などが含まれているはずだと思うのが、恐らくこういった内容がきちんと反映されていなかったのではないだろうか?なぜそう思ったかというと、北島選手がまだ結論が出ていない段階でレーザーレーサーを試合で着用した際、スピード社のロゴが丸見えだったからである。汚くてもいいからロゴぐらい消す努力をしなかったことに驚いた。そしてそれを許したメーカーや水連にも驚いた。

バルセロナオリンピックの表彰式で、バスケのドリームチームメンバーの多くは、肩から国旗をぶら下げてリーボック社のロゴを隠した。もちろん隠せる場合と隠せない場合はあるだろうが、テストの段階で堂々と他社ロゴを出して登場してしまっては、契約内容を疑ってしまう。

今回の騒動はその辺の契約の意識がそれぞれにあれば、罰金などのペナルティー、もしくはロゴを消してもらうということで、あっさり決着がついたのではないだろうか?

平井コーチの契約を無視した猛烈アピールにも違和感(プロ意識の欠如)を感じたし、マスコミの情緒的な報道にも違和感を感じたし、各プレイヤー(選手、メーカー、水連)のウェットな対応にも違和感を感じた。他国がこの問題で盛り上がっているかどうかで、日本の現在地(スポーツレベル)を知ることができるのかもしれない。

勝つための最善の策を練り、最善の環境を準備するのは当然のことである。そのためにスポンサーも一役を買っている。スポンサーの利益が優先されるあまり、パフォーマンスが落ちるのは間違っているが、スポンサーを完全に無視してサポートや契約金をもらうのも間違っている。そのために契約があるわけで、そこがしっかりしてこそ力になるはずだ。今回はそこがすべての面であいまいだったとしか思えないが、今回の騒動を機に、水泳のみならず、他の競技も契約内容の見直しをする動きが出ると、日本のスポーツ力も向上するだろう。