バスケ女子日本代表 ちぐはぐ

日本の女子バスケは世界レベルだといっても過言ではないだろう。
前にも記したが、男子より遥かに世界で実績を残している。
何故なら世界選手権の得点王とアシスト王を擁しているのだ!


8月にロンドン五輪アジア地区予選が行われる。
2大会ぶりの出場に向けて1枠を日本代表は争う。

さて、問題はここから。

この地区予選、日本で開催されるのだが、開催地は長崎県大村市
はい、調べました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大村市
長崎県の中央に位置する市。東は多良岳県立公園、西は大村湾を望む自然豊かな市である。また、長崎空港があることから、長崎県の玄関口としての面も併せ持つ。
人口は9万人。

以下大村市への批判ではなく、協会への疑問として読んでほしい。
なぜオリンピックの切符を懸けた、競技にとって最も大事な大会を人口9万人の都市で行うのか?
マスコミがどれだけ長崎県へ行くというのか?
大きな会場はあるのか?
ホームコートアドバンテージという言葉を知っているのか?
せめて九州でやる何らかの理由があるのならば、ユニバーシアードなどの開催経験のある福岡ではないのか?
五輪の地区大会は、五輪招致の可能性のある都市で行ったほうがいいのではないか?
とにかく突っ込みどころ満載なのだ。

次に数日前の朝日新聞の記事によると、この大会に向けて女子日本代表候補が合宿に入るようなのだが、JXの選手が米国遠征のため、参加しないそうだ。
この件に関する協会幹部の発言はちぐはぐ。
シーズン前のWNBAのチームとエキシビジョンマッチを行う事はいいことだ。
問題はJXじゃなくて、日本代表として行った方がいいんじゃないの?というシンプルな疑問。
その方が日本のバスケット界のためになるのは当然のことではないだろうか?
モメているレベルがなんだかとても低い。

さらに今春交代予定だった強化部長もなんだかドタバタの末再任だとか。。。

日本のマイナースポーツの協会はどうも問題だらけのようだ。(競技人口的にバスケはマイナースポーツではないのだが。。。)

最後に世界の得点王について。
大神雄子選手がWNBAに挑戦する事及び海外からのオファーがあるにも関わらずJXと再契約する事が発表された。
WNBAに挑戦する事は大賛成!多いに活躍してもらいたい!
気になる点はここから。
なぜ海外へ行かないのか?
JXでまだやり残した事があるそうだが、これ以上JXで果たす事はあるのだろうか?
切磋琢磨させる良きライバルはいるのだろうか?
サッカーに例えると、本田選手と長友選手がガチで世界の頂点を目指す会話をしていたように、日本で大神選手と同様の会話をする相手はいるのだろうか?
ちなみにアメリカ代表のPG Sue Bird(スー・バード)ですら、WNBAでプレイしていない時は、WBC Spartak Moscow Regionというロシアのチームでプレイしている。
同じくアメリカ代表のエース、そしてフェニックスで大神のチーム名とDiana Taurasiは、トルコでもプレイしている。
他国の代表選手も同じ傾向だ。
海外ならどこでも言い訳ではないが、世界の得点王には世界に羽ばたいたいてもらいたい。
日本人的な気質や美学はわかるが、それをいうならば松井秀喜だって心を鬼にして海を渡った訳だ。
今「彼はメジャーへ行くべきじゃなかった」なんてことを言う人はこの国では見つからないだろう。

選手のポテンシャルを引き出すのは協会の力も必要。
それが厳しい場合は、卓越した個人の力が必要なのだろう。
そうやってキングカズや有森裕子が古い体質に風穴を開けてきたのだろう。
大神雄子が先か、協会が先か、いずれにせよ日本の女子バスケには世界に羽ばたいてもらいたい。
それだけのポテンシャルがあるのだから。


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