上村愛子

 上村愛子選手が5連勝!ということで、年間王者に花を添えた。
これは見方によっては、オリンピックで優勝したことよりも意味あるかもしれない。
1シーズン通して最も安定して力を発揮したこと、勝利を続けたこと、このことに対する評価がもっとあってもいいのではないだろうか?
 
ある期間だけ強かったものに対する評価と年間を通じて強かったものに対する評価。
日本のマスコミはこの部分に対しての哲学があまりないのかもしれない。
オリンピックで勝つとやたらに取り上げ、私生活から家族までありとあるゆる方法で煽るが、こういった勝利にははしゃがない。

確かに現在のスポーツ界には大会や試合が乱立している感がある。
カップ戦、リーグ戦、トーナメントなどなど。
そして例えばプレイオフ方式。
ヨーロッパではあまり存在しないこの方式だと、シーズンの優勝があまり意味を成さない場合がある。
最後にもっとも調子を上げたチームがそのまま王者になってしまうケースもある。
今年の最も典型的な例がNFLのNYジャイアンツだろう。序盤ひどい試合を展開しながら、中盤から立て直し、最後にはチームが調子を上げ、シーズン全勝のペイトリオッツを破ってチャンピオンに輝く。
アメリカのマスコミは負けたペイトリオッツにもかなりフォーカスした。

ところが日本ではそうならない。シーズンを全勝したものの、トップリーグのファイナルで敗れたラグビーの三洋しかり、ACL優勝のレッズの陰に隠れてJリーグの王者に輝いたアントラーズしかり。
こういったチームの敗北や勝利にメディアがフォーカスすることはなかった。
やはりまだまだお祭り好きの一発勝負好きな魂が抜けないのだろう。

 日本のマスコミにはとにかく、リーグ戦の重要性の理解と、年間を通じていいパフォーマンスを続けることの価値をより知ってもらいたい。

 上村愛子選手、世界一おめでとう!